ガンより怖い糖尿病ということで衝撃を受けたのですが、実はその糖尿病を上回る危険度の高い病気が「動脈硬化」だというところに行き着きました。 どうやったら動脈硬化を防げるのかを医学的側面から見てみました。動脈硬化の最大の危険国子は糖尿病です。 糖尿病を合併している方もいると思いますが、その場合どうしたらいいのでしょうか?
動脈硬化 関連ページ
]]>しかしここに、興味深いデータがあります。日本人の動脈硬化は、頭に出やすい。つまり脳卒中として脳に出るケースが圧倒的に多いのです。日本人の死亡原因で見ると、たしかに心筋梗塞より脳卒中のほうが少ないですが、これは死に直結する脳出血が減り、認知症や半身麻痺などの後遺症を残して長く生きる脳梗塞が増えたからです。
日本では、心筋梗塞を1とすると、脳梗塞で倒れる人はその3倍。1対3の割合で脳梗塞が多くなります。アラブや中東の人たちは、心筋梗塞と脳梗塞の割合は1対1 、アングロサクソン、つまり白人に至っては、心筋梗塞3 に対して脳梗塞1 です。
人種によってこんなに差があるものかと、驚きます。 しかも、必ずしも高血圧症の人が脳卒中になるとは限りません。むしろ高血圧症の一歩手前、軽症高血圧の人に脳梗塞を起こす人がたくさんいるのです。
実際に、最も多く脳卒中を発症しているのは、上の血圧が130 ~140 mHGくらいの人たちです。 血圧が130ちょっとの人はどこにでもいますよね。しかもその人たちは、自分が高血圧だという意識がほとんどありません。たとえば、10人が脳卒中で救命センターに運び込まれたとします。そのうち4人は、いままでの人生で一度も高血圧と言われたことがない。そういう調査報告もあります。 高血圧ではないから安心と思っている人、心して聞いてください。脳卒中は必ずしも高血圧の病気ではないのです。 血圧が高い人は、生活習慣を見直し積極的に下げるために行動しましょう!
]]>脳梗塞、脳出血、くも膜下出血です。脳梗塞はさらに、ドロドロのコレステロール(プラーク)によって血管が詰まってしまう「アテローム血栓性梗塞」、細い動脈に動脈硬化が起きて詰まってしまう「ラクナ梗塞」、心臓にできた血栓が流れてきて血管を塞ぐ「心原性脳塞栓症」の3つがあります。
それに対して、脳の血管が破れて出血するのが脳出血、脳の血管にできた動脈痛の破裂などによって脳を覆っているくも膜と軟膜の問に出血するのがくも股下出血です。いまから50年以上前、1960年頃は、脳卒中といえば大半は脳出血でした。脳出血を起こすと手の施しようがなく、多くの方が数週間くらいで亡くなってしまうケースが多かったのです。
ところが、いまは減塩に気を遣い、よい降圧剤も開発されたので、脳出血で倒れる人は少なくなりました。しかし、脳卒中が減ったわけではありません。血管が詰まる脳梗塞が増えたので、脳卒中自体は依然として減っていません。
お年寄りが増えたせいもあって、むしろ実際は年間あたりの脳卒中の発生率は20%ほど増加しています。人間は、脳の血管が詰まっただけでは、そんなに簡単に死にません。体が不自由なので外出や買い物は自由にできなくなりますが、脳出血のようにコロッとは死ななくなったのです。
先日、54人の寝たきりになった原因調査を行いました。平成16年3月31日現在、寝たきり患者の46% が脳血管疾患(くも股下出血、脳出血、脳梗塞など)、9%が認知症です。認知症の半分は脳血管疾患が原因ともいわれているので、合わせれば約5割が脳の血管の病気が引き金になっています。
脳の血管が破れるから、詰まるへ。それが寝たきり患者を増やしました。しかも脳梗塞によって寝たきりになると、その期間が長い。脳卒中で倒れてから寝たきりで過ごす期間は、平均で4.1年。それ以外の病気の場合は、約半分の2.1年です。 日本は世界でもトップクラスの長寿国です。しかし長生きしても寝たきりならば、辛い期間が長くなるだけになってしまいます。
]]>動脈硬化が進行したその先にある代表的な病気が、心筋梗塞と脳卒中です。しかし、この2つの病気には、その起こり方に違いがあります。
病気には、その病気を起こしやすくする危険因子があり、それをリスクといいます。 動脈硬化の場合なら、血圧が高め、血糖値が高め、コレステロール値が高め、肥満がある、喫煙習慣がある...などがリスクとなって動脈硬化を進行させます。リスクが多ければ多いほど、その病気にかかりやすくなります。 一般的には、そのように考えられています。たとえば心筋梗塞は、リスクが1つずつ増えるにしたがって起きる危険度が高くなるという性質を持っています。
ですから、心筋梗塞はリスクがたくさんある人を集中的に指導すると、高い予防効果が期待できます。 ところが、必ずしもそうでない病気もあります。
たとえば、脳梗塞です。心筋梗塞と同じように血管が詰まる病気でありながら、脳梗塞はリスクが1つでもあれば起こる可能性が大きい。その危険度は、リスクが2つ、3つ、4つの人と比べて、そんなに低くないのです。 ですから、仮にメタボではなくても、リスクが1つでもあればきちんとした指導を受けることが脳梗塞を防ぐためには必要なのです。
「ちょっと高め」がいくつか重なると、動脈硬化がすごいスピードで進行すると、言いました。ところが脳梗塞で倒れた人たちを調べると、たった1つのリスクだけでほかに何もなかったというケースを多く認めています。 たった1つのリスクとは、高血圧です。しかし高血圧といっても、「ちょっと高め」にすぎません。ほとんどが、1の血圧で130台とか140台です。血圧が130~140台で、ほかに悪いところは何もないというあなた。さぞかし自分が健康だと思っているでしょう。もしかしたらそんなに太っていないので、特定健診も受けていないかもしれませんね。
でも、本当はそういう人がいちばん危険なのです。「自分は大丈夫」は、大丈夫ではないのです。「血圧がちょっと高めなだけ」と写っあなた。自分は脳梗塞のハイリスク群だと自覚して、ぜひ健診だけは受けてください。
]]>LDLコレステロールとHDLコレステロールはちょうど、部屋を散らかす子どもと掃除するお母さんの関係にあります。タバコや高血糖、そして高血圧で血管の内側に傷がつき、そこからLDLコレステロールがしみ込んでたまってしまいます。
これを駆除しようとしてマクロファージがLDLコレステロールを食べ尽くそうとしますが、 LDLコレステロールのあまりの多さにマクロファージは力尽きて死んでしまいます。こうしてできたマクロファージの死骸とLDLコレステロールの塊によってできたものがプラークです。
それでは、LDLコレステロール値は140mg/dlを超えていなければ大丈夫なのでしょうか。いいえ、そうでもありません。心筋梗塞を起こす人のLDLコレステロール値の平均は、多くの観察研究で120mg/dlを下回っています。
そこで、いま注目されているのがLDL/HDL比です。LDLレステロール値をHDLコレステロール値で割ります。この比が2.0を超える人は、心筋梗塞や脳梗塞が起りやすいことがわかっています。
予防ではこのLSL/HDL比を2.0以下に、また、すでに脳卒中や心筋梗塞を起こしたことのある人、あるいは糖尿病の人は1.5以下にすることを目標に、調整を考えます。
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]]>たとえば、「血圧が高いので血管は硬くなっているが、血管の材質は実は柔らかい」とか、その道で、「血圧がそこそし低いので血管は柔らかめだが、プラークだらけ」だったり、「プラークはないのに血管は硬い」だったり...。
人の顔と同様、血管の状態もさまざまです。しかし、ここで明記しておきたいのは、糖尿病の人、糖尿病予備軍の人は、時間の差こそあれ、いずれこれらすべての指標が悪くなります。本当に、悲しくなるくらい速いスピードでどんどん悪くなります。
そのときに、何の自覚症状もないことがとても多いのです。 いまの日本は、世界でも有数の高齢化を迎え、高齢先進国となりつつあります。しかし幸いなことに、日本は世界でいちばん血圧計を自前で持っている園であり、動脈硬化の評価に関して最も研究が進んでいる国の1つでもあると思います。
フォルムもバセラも頚動脈エコーも血圧計も、日本ほどたくさん整備されている国はありません。何度も書くように、動脈硬化にはまったく自覚症状がありません。
ある日突然、「5年生存率50%」と宣言されて驚く病気です。いや、むしろ、宣告されてもなおピンとこない人の多い病気なのです。
「もう絶対に血圧も脈拍も計らない」という人によく出会います。 「何ともないのにこんなに数字が悪いなんて、信じられないし、気分が悪い」と言うのです。気持ちはわかります。よくわかります。
腎機能が年々落ち込んでいくのを毎月毎月眺めていたのに、いざ「透析を始めましょう」と言われても、なかなか実感がわきませんでした。 むしろ、透析をスタートして3年、いろいろな手術や、いろいろな小さな事故を主治医の先生と乗り越えていくたびに、「ここで間違ったら死んでいたよなー」とつくづく思い、「5年生存率50%」が静かに実感されます。
症状はないけれど、動脈硬化は確実に進行しています。そして糖尿病やその予備草では、進行のスピードが速い。糖尿病、あるいはその予備軍と疑われた人たちは少しでも早くこのことに気づき、よりよい未来のイメージを生み出せるように、なるべく多くの側面からご自分の血管を評価してください。
コワイのは糖尿病の合併症です。
]]>プラークの一部が破綻したり、破綻したプラークのカケラが血流に乗って脳に飛んでいくと、おそらく脳梗塞を起こします。プラーク自体は、何の症状も起こしません。またプラークがあるからといって、必ず脳梗塞を起こすというものでもありません。
しかし、こんなに太くて大きな血管にコレステロールが沈着して固まっているのなら、もっと小さい血管はさぞかし...と思うのは、私だけでしょうか。プラークができやすい場所があります。稔頚動脈は脳へ向かう内頚動脈と、顔へ向かう外頚動脈に枝分かれします。 この分岐部にあたるところは、少し径が太くなるのが普通です。
画像で「ココ」と示す部位は、非常に多くの人で1 mm以上に肥厚しています。とくに、糖尿病や境界型糖尿病などがあると、3 mm以上にまで肥厚しているものもよく見かけます。 その多くは、将来成長していきます。
血流は、この突起の周囲で乱流をつくり、突起の前後の部位をますますえぐっていきます。ここに大きな圧がかかり続けると、プラークがちぎれて飛ぶという、考えただけでも身の毛のよだつことが起きます。
経験した症例で一例、このような状態で発見したプラークが2週間後にちぎれて飛んで、左半身が完全麻痺した方がいました。恐ろしいことに、その日まではまったく無症状です。糖尿病がある人、脂質異常症がある人、高血圧症の人は、ぜひ、頸動脈エコーの検査を受けてください。
場合によっては保険が使えます。まったく症状がないのに、自分の体の中に大事故の芽が潜んでいることを知っていれば、人生が少し変わるかもしれません。本気になれば、ある程度はプラークを取り除くことができるのです。重要なことは、ご自分にプラークが発見されたとき、あなたの家族もプラークができる環境に首までしっかり浸かっているということです。
いまのあなたの状態は、子どもたちの30年、40年後に確実に反映されます。目をそらさず、必ず家族で食生活の改善に取り組んでください。プラークの発見は、あなただけでなく子どもたちの健康と未来をつくるチヤンスなのですから。 硬くなってしまった血管もやり方次第で柔らかな血管に回復できるなども参考になります。
日頃から桜島活泉水で血液さらさらなどを飲む習慣も大切です。血管の中は目に見えませんが、状態が悪化しだすと非常にデリケートです。
]]>たしかに、糖尿病や境界型糖尿病、脂質異常症、高血圧症の人では顕著なIMT (内中膜肥厚) が見られる傾向があります。しかし、知っておいてほしいことは、このコレステロールの層は、100% あなたがいままでに食べてきたコレステロールの残りカスがくつついたものだということです。 血管の壁に、どのくらいの残りカスがついているか。頚動脈エコーは、実に単純明快な検査です。血糖値検査のように、1ヶ月ぐらい前からあわてて食事療法などをしても、IMTの結果は変わりません。
いままでのあなたの何十年かの人生の、よいも悪いもその結果が、愚直に映し出されます。 総頸動脈の内中膜の厚みを計ったとき、最も厚かった部位の厚さを「MAX IMT」と呼び、その両側10 mのところを計って平均したものを「MEAN IMT」といいます。
「動脈硬化は年齢とともに進む」という考えが一般的だと思いますが、血管をたくさん観察していると、本当にそうだろうかという疑問が生まれます。 たしかに大きな集団で見ると、平均値は年齢とともに厚くなるのですが、歳をとってもこのコレステロールの層が薄い人はたくさんいます。そういう人は、やはり糖尿病もなければ脂質異常症もなく、多くは高血圧もない。そんな人をよく見かけます。
逆に言うと、糖尿病、脂質異常症、高血圧症は、直接的にも間接的にもコレステロールの層を厚くする方向に働いていると思います。
]]>つまり動脈硬化には、血管の形状が変わるという側面と、性質が変わるという側面があるのです。したがって動脈硬化の状態を知るには、この両側面から観察しなければなりません。 動脈硬化の度合いは、いろいろな指標によって計ることができます。
最も簡単に計れる動脈硬化の指標は、血圧です。血管が硬く、また目詰まりを起こして流れが悪くなると、体は血流によって運ばれてくるはずだった不足分の栄養や酸素を欲しがって、心臓や血管に命令を出します。「もっと圧力を上げて血液を送れ! 」と。 ですから、血管が硬いほど、目詰まりが多いほど、血圧は高くなります。血液は心臓が1回1回拍動するたびに、シューッ、シューッとすごい勢いで心臓から送り出されます。
1回、60~80ml。心臓は1日に約10万回動きますから、1日に6000~8000 リットルの血液を休みなく送り出していることになります。 このシューッ、シューッと血液が送り出されるときに、血液が血管に打ちつけられる際の1回1回の圧。上の血圧が120 mmHGの人と150 mmHGの人では、1回1回にはさほど大きな違いはないと思いますが、これが1日10万回となると、血管にかかる負担はまったく違います。
この30 mmHGの血圧の違いで、80歳代で脳卒中になるか、90歳代まで元気かという大きな差が出ています。血圧は、血管の硬さや目詰まりの度合いを稀合的に表現している動脈硬化の代表的な指標といえます。
[report]キクイモを食べるようにして食習慣も野菜中心にしたら血圧は70mmHG、血糖値は130mmHG下がった
次に日常で簡単に計れる指標が、脈庄です。脈庄は「上の血圧」から「下の血圧」を引いたものです。結論から言いますと、この脈庄が大きければ大きいほど、血管は硬くなります。 「私は上の血圧は高いけど、下の血圧が低いので問題ない」と変な自信を持っている人をたまに見かけますが、この上の血圧が高くて下の血圧が低い人、つまり差きい人も、非常に危険であることがわかっています。
下の血圧がやや低い人に対して「歳をとると自然に下の血圧は低くなる」と説明すると、「下の血圧は低くてもいい」という誤解を生みます。では、誤解が生じないように、脈庄が、あるいは下の血圧がどんな意味を持っているのか説明するのには、どうしても30分くらいの時間が必要です。 「脈圧が大きい人ほど、動脈硬化が進んでいます」と言うことにしています。
ただし、例外があります。大動脈弁という弁の働きが悪くなっているケースです。大動脈弁は心臓から体中に血液を送るそのスタートラインに3枚あり、血液の逆流を食い止めています。 この弁の働きが悪くなって血流が心臓のほうに逆流し始めると、下の血庄は大きく下がります。大動脈弁の異常は70歳を超えた高齢の人によく見つかりますが、治療が必要ないケースが多いです。脈庄は、血管が硬くなつたことを示す、性質の面での指標です。
動脈硬化を比較的簡単に日で見る方法としておすすめしたいのは、頚動脈エコーです。絶食やその他の事前準備はまったく必要なく、頚部エコー用の機械がある医療機関なら、いつでも検査が受けられます。
糖尿病がある人、血圧が高い人、LDLコレステロール値が高い人(とくにLDL/HDL比が2.0超。)には積極的にこの検査をすすめています。 これは、首から脳へと続く総頚動脈を、魚群探知機の精密版のようなもので観察する検査です。これによって、コレステロールのたまり具合が一目でわかります。
まず、血管の内中膜(血管を構成している内膜と中腹) の厚さを計ると、コレステロールがどれくらいたまっているかわかります。 平均的な数字を示すと、70歳で1ミリくらいだといわれていますが、年齢と比べて評価することはあまり意味がないと思います。同じ年齢でも内申膜の厚さはさまざまですし、平均値で人並みだから安心というわけでもありません。 しかし、何歳になっても内申中は薄いほうがよいに決まっています。
それは、血管にコレステロールがたまっていないということですから。この検査のもう1つの大事な点は、プラークの発見です。 プラークとは、たまったコレステロールによって内中膜が盛り上がり、1.1ミリ以上の突起となったものをいいます。
これが「アテローム性粥状動脈硬化」の原因になります。 このプラークによって血管の内腔が狭くなり、血流が悪くなることも大変な問題ですが、それよりも、「プラークがある」ということが重要です。 頸動脈は、内径が6~8 ミリほどの比較的太くて大きな血管です。こんなに大きな血管にコレステロールの塊があるのならば、もっと細い血管ではさぞかしたくさんの目詰まりが起こつているのではないかと推測されます。またこのプラークが脳に飛ぶと、脳梗塞の原因になります。
近頃、広く普及している動脈硬化の指標は、「フォルム」と「バセラ」によるものです。 どちらも基本原理は同じで、脈披速度を計る検査機器です。脈波速度とは、血管の壁がエネルギーを伝えるスピードです。
たとえば他に小石を投げ入れると、さざ波がまわりに広がっていきます。血管も同じように、心臓が一拍ドタンと打つと、そのエネルギーは血管の壁を伝わって指先や足先へと届きます。その、伝わる速度を計ります。フォルムでは、腕と足首に血圧計のカフを巻いて、同時に心電図と心音図を調べます。
すると、エネルギーが心臓から腕に伝わった時間と、心臓から足首に伝わった時間がわかります。このスピードが速ければ速いほど血管は硬くなっています。この原理は、マラソンランナーに例えるとわかりやすいでしょう。 ランナーが硬いアスファルトの上を走ると、スピードは出ます。しかし、足と路面の間の衝撃は非常に強く、足と地面のどちらも大きなダメージを受けます。
これに比べて、柔らかい砂の上を走るランナーはスピードが出ません。しかし、衝撃のエネルギーは砂に吸収されるので、足が痛みません。1 50この原理を利用して、でんばフォルムは血管がエネルギーを伝播するスピードを調べます。誤解してはいけないのは、血流のスピードを見ているわけではないことです。 フォルムで調べた脈波速度は、いろいろなものの影響を受けます。いちばん大きく、素早く影響を受けるのは、なんといっても血圧です。血圧が高めの日と低めの日では、脈波速度が大きく異なります。2番目に影響するのは年齢です。
そのほか、糖尿病の有無、脂質異常症の有無、腎機能障害の有無も大きく影響します。ここで重要なことは、フォルムによる脆波速度は、いろいろな影響を総合的にまとめた結果だということです。ですから健診などでは、とても有用な検査です。 この脈波速度という指標は、血圧が高くても、高齢者でも、糖尿病でも脂質異常症でも腎臓が悪くても、あるいは極度に緊張しただけでも高い数値が出ます。なぜ高く出たかをよく考えて原因を探すのが、医者の仕事です。
これに対し、バセラは少し違います。同じように脈波速度をもとにしていますが、血圧の変化に敏感な脈波速度の特徴を、血圧が変化しても大きく変わらないように工夫したものが、バセラを使用したCAVI値です。 よく、どっちのほうが有用かというご質問をいただきますが、どちらも血管の違う側面を見ていますので、どちらが有用とは言えません。フォルムは全国に1万台以上普及していますから、担当医に有無を確かめてみてください。何回か通院されて、よいときも悪いときも測定してみると、ご自分の血管の性格の全体像がつかめると思います。
いまいちばん新しい指標です。心臓にかかる負担を診る指標といわれています。脈波速度は、心臓から出ていくエネルギーが末梢(手足の端々)へ伝わるスピードです。このエネルギーは末梢で跳ね返り、反射波として、心臓へ向かって帰ってきます。 重要なことは、行く波が速いと、反射波も速く帰ってくることです。
すると、血管の中で波が重なります。行く波と帰る彼の重なりが大きいと、そのエネルギーは大きくなって血管や臓器に大きなダメージを与えます。逆に波の重なりが小さいと、血管をたたく力も小さく、ダメージは少なくなります。この波の重なり具合を評価するのが、AIです。まだ一般的に普及しているとはいえませんが、実施する医療機関は少しずつ増えているようです。
この指標は非常に古典的ですが、生命の予後を表すことにかけては昔からよく使われてきました。基本的にむずかしい装置は必要なく、血圧計1つで計ることができます。原理は簡単、足首の血圧と上腕の血圧の比を見ます(ABI=足首で計った上の血圧÷上腕で計った上の血圧)。
通常、血圧は心臓をスタート地点として、体の端へ行くほど高くなります。「アレ、低くなるんじゃないの? 」と思う人もいるでしょう。1つには「アンプリファイア(増幅) 効果」といって、電気でいうなら電流と電圧の関係に似た原理で、上腕より足首の血圧のほうが高くなります。
もう1つは、脈彼のところでお話ししたように、進行波と反射波の重なり具合の関係からも、血圧は上腕より手首、上腕より足首のほうが高くなります。 したがって通常は、足首より上腕の血圧のほうが低く、ABIは1.0より大きな数字になります。実際には、0.9以下を異常とすることが多いようです。
中医学、あるいは漢方医学の先生は、かなり正確に脈を指で触診しています。ある大学に留学中の中医学の研修生に脈の触れ具合を図示してもらったところ、直接血管に針を刺して調べるカテーテルによって描き出された波形と、ほとんど同じ波形をスケッチで表出したそうです。
いまは若い医師が脈診をしている姿をほとんど見かけなくなりましたが、熟練した内科の先生の脈診、触診、聴診は、かなり正確に動脈硬化をとらえていると思います。
]]>血圧と塩分(ナトリウム)の関係が具体的になったのは、この 50 年くらいの研究成果です。なかでも興味深いのは、塩分摂取量が少ない民族では、年齢を経ても血圧が上がらないことです。
有名なのは、南米ギアナ高地に住むヤノマミ族。 彼らは調理に塩分を使わないため、血圧が高い人はほとんどおらず、上の血圧が 100 mmHG 下の血圧が 60 mmHG くらいしかいません。
逆に塩分摂取が多い民族は、年齢とともに血圧が上がることがわかっています。なぜ、塩分をとりすぎると血圧が上がるのでしょうか。
簡単に説明すると人間の体には、ナトリウム濃度をつねに一定に保とうとする働きがあります。 ところが、塩分をとりすぎたり、腎臓でのナトリウムの排泄機能が低下すると、体内にナトリウムがたまってきます。
塩分が多いものを食べると、水が飲みたくなります。それと同じように、体内にナトリウムがたまると、それを薄めようとして水分が集まってきます。そのために血液をはじめとする体液の量が増えて、血液であれば、それを押し出すときに血管に強い圧力がかかってしまうのです。
動脈硬化の最も簡便な指標として血圧を見るとき、塩分は動脈硬化を進行させる物質であることがはっきりわかります。
塩分は摂りすぎないように努力しなければいけませんが、過剰に摂取してしまった場合はどうしたらいいのでしょうか? それはカリウムを摂ることです。カリウムは塩分を排泄します。 食塩を排泄するカリウムが豊富「りんご」 カリウムは、果物、生の野菜などに多く含まれます。
カリウムに血圧を下げる働きがあることがわかったのは、もう 50 年以上も前のことです。そして血圧を下げる薬がまだなかった時代に、どうしようもない高血圧が、ご飯とくだものだけの食事でみごとに下がったという例も報告されました。
それからもう1つやっかいなことは、カリウムを多く含んだ食べ物も、ゆでたり煮たりして調理すると、かなりの量のカリウムが失われてしまうことです。ナスやキュウリなども、輪切りにして水洗いすると、カリウムはほとんど失われてしまいます。
ということは、生のまま食べられるくだものや野菜(キャベツ、レタス、パセリなど) が好ましいということになります。それも新鮮なものがすすめられます。
トマトやオレンジなどもそのまま食べるか、フレッシュジュースにするのならカリウムが豊富に含まれていますが、缶詰めとか缶入りのジュースになったものには、カリウムはほとんど入っていません。
カリウムを豊富に含む食材
食品名 | 加工状態など | 含有量 |
---|---|---|
切り干し大根 | 乾燥 | 3,500mg |
ドライトマト | 乾燥 | 3,200mg |
アボカド | 生 | 720mg |
ほうれん草 | 生 | 690mg |
枝豆 | 冷凍 | 650mg |
人参 | 生 | 630mg |
モロヘイヤ | 生 | 530mg |
小松菜 | 生 | 500mg |
ブロッコリー | 生 | 460mg |
西洋かぼちゃ | 生 | 450mg |
カリウムを豊富に含む果物
食品名 | 加工状態など | 含有量 |
---|---|---|
ドライバナナ | 乾燥 | 1,300mg |
ドライマンゴー | 乾燥 | 1,100mg |
干し柿 | 乾燥 | 670mg |
バナナ | 生 | 360mg |
メロン(露地栽培、青肉/赤肉) | 生 | 350mg |
キウイフルーツ(黄) | 生 | 300mg |
キウイフルーツ(緑) | 生 | 290mg |
さくらんぼ(米国産) | 生 | 260mg |
さくらんぼ(国産) | 生 | 210mg |
パパイア(完熟) | 生 | 210mg |
「動脈硬化」という言葉は、いまではとても耳に馴れた、なじみ深い言葉の1つです。動脈という、心臓から全身に酸素を送る血管が硬くなったり、厚くなったりして血のめぐりが悪くなったり、血管が詰まった状態を総称して、「動脈硬化」といいます。
動脈硬化の代表的なものに、「アテローム性粥状動脈硬化」があります。これは血管の内側に、プラークと呼ばれるドロドロになった異常なコレステロール(体内脂質の1つ。本来は各種のホルモンや細胞膜、胆汁酸などの原料になるもの)の塊がたまって起こります。 その成り立ちは、次のとおりです。
そこへ、マクロファージという免疫細胞(外敵などと戦う細胞)が現れて、この超悪玉コレステロール(酸化LDL)を食べ尽くし、血管を掃除しようとします。 ところが、超悪玉コレステロールが多すぎると、それを掃除しきれずに、マクロファージが途中で死んでしまいます。その死骸と酸化LDLコレステロールが血管の中にたまると、ブヨブヨしたプラークができます。このブヨブヨのプラークは、とてももろくて破れやすい状態です。これがたまると、血管の内膜がもろくなり、内腔の形もいびつになります。
これを塞ごうとして、そこに血小板などがくつつきます。このため、内腔が狭くなった血管は簡単に目詰まりを起こしてしまいます。これを「プラークの破綻」といいます。プラークの破綻はある日突然起こり、血管を詰まらせます。したがって心筋梗塞や脳梗塞も、ある日突然起こります。
「人は血管とともに老いる」と言ったのは、カナダの医学者ウィリアム・オスラー博士です。長い年月血管を使用していると、血管はしだいに硬くなったり、詰まりやすくなあってきます。この、血管を硬くするいちばん大きな要因は血圧です。
血圧とは、血管にかかる庄のことで、心臓から出る血液量(心拍出量)と血管の硬さ(末梢血管抵抗)で決まります。心臓は収縮と拡張を繰り返しながら、血液を全身に送っています。
この、心臓が収縮したときに血管壁にかかる圧力が収縮期血圧(上の血圧)です。 この時血圧が最も高くなるので、「最大血圧」ともいいます。
一方、心臓が拡張したときに血管にかかる圧力が拡張期血圧(下の血圧)です。血管にかかる圧力は最も弱くなるので、「最小血圧」ともいいます。 血圧が高くなる理由は、1.心臓から送られてくる血液の量が多いとき2.血管が狭くなったために血液が流れる際に血管壁を内側から押す力が強くなつたとき、です。 当然、血圧が高いほど血管は傷みます。心臓は1日に約10万回拍動して、血液を送り出します。そのたびに血管の壁は強くたたかれます。
1日10万回もたたかれれば、血管の壁はいやでも硬くなってしまいますね。血管が硬くなれば、血液を先へ先へと送っていくのに必要な柔軟性が失われて、体のすみずみに血液がめぐりにくくなります。すると、すみずみの細胞が「もっと血液を送れ」「もっと栄養をよこせ」というサインを出します。 このサインを感じた脳は心臓や血管に、もっと圧力を上げて、もっとたくさんの血液を送るように命令を出します。すると、血圧が上がります。血圧が上がると何が起こるでしょうか。
血管のいろいろなところに無理がかかり、簡単に言うと、破れやすくなります。体はこの破れやすいというピンチを敏感に察して、血管を補強します。 すると血管は硬く、分厚く、補強されます。血管が補強されて強敵になることは、一見よさそうですが、皮肉なことに強敵になったことで血管は硬くなり、血液がめぐりにくくなって、
さらに高い圧力を必要とするようになります。 この堂々めぐりで、血管は歳を追うごとにますます硬くなります。つまり動脈硬化は、血管の填れそうなところを補強するために起こる、ある意味、自然の修復作業なのです。こんなことを言うと、必ずといっていいほど、「自然の修復作用なら問題ないのではないか」と言う人がいます。ところがこれが、問題大ありなのです。
なぜなら、血圧が低ければこの修復も少なくゆっくりですが、血圧が高くなればなるほど加速度的に修復が増えるからです。 そして、糖尿病、脂質異常症など、血管の環境を損なうものが多ければ多いほど、この修復の作業は大きく、多く、速くなっていきます。
つまり、それだけ動脈硬化が進むわけです。
発酵黒豆ドリンクの使用感と効果(血糖値、血圧、コレステロール) 血圧がさがりにくい、注意されたコレステロールがさがりにくいという人は是非、発酵黒豆エキスを試してみてください。高血圧、高コレステロール、高血糖に効果的です。1日おちょこ1杯飲めばOKです。
]]>特定健康診査は、いわゆる「健診」のことで、問診、身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査などを行います。 メタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を早期発見し、早期対策に結びつけることが目的です。 特定健康診査は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、保険者が実施することになっています。
しかし、特定健診の目的を考えれば、それは必ずしも厳しすぎることはありません。むしろ、それくらい厳しくしないと、この健診の目的は達せられません。
なぜなら、特定健診は病気を見つけるためのものではなく、「動脈硬化が速く進む集団を検出するための健診」だからです。特定健診の診断基準は、メタポリックシンドロームの診断基準をほぼ流用しています。
腹囲男性 85 cm以上、女性 90 cm 以上に加えて以下のうち 2 項目以上
メタボリックシンドローム の診断基準の必須項目である腹囲の測定は、本来なら CT で内臓脂肪を撮るべきなのですが、それを簡便化して、腹囲を計ります。内臓脂肪はおへそを中心としたお腹まわりに蓄積されます。
メタボリックシンドロームの腹囲の基準値は、腹部 CT 検査の内臓脂肪面積 102 cm に相当します。内臓脂肪面積が 100 平方センチ以上になると、それ以下より合併する疾患の数が5割アップすることがわかっています。
この腹囲の基準の妥当性についてはさまざま窒息見もあるようですが、ここではその議論はほかに譲ります。 血圧の数値は、高血圧症の診断基準の「正常高値」の値に準じています。
上の血圧(収縮期血圧)、下の血圧(拡張期血圧)とも、これより高い圧力が血管壁にかかると、動脈硬化が促進されるリスクが高くなります。 血中脂質の検査では、中性脂肪とHDL(善玉)コレステロールを調べます。
HDL コレステロールは余分な LDL (悪玉)コレステロールを掃除するコレステロール。中性脂肪が増えて HDL コレステロールが減ると、動脈硬化を促進させる LDL コレステロールが増えてしまいます。 LDL コレステロールは動脈硬化を促進させる直接的な因子なので、
この診断基準にはあえて入れていないようです。血糖値の基準値は、メタポリックシンドロームに比べて、特定健診ではさらに厳しい値(空腹時 100 mg / dl 以上)が設定されています。 また、特定健診は空腹時血糖に加えてヘモグロビンA1C(5.2% 以上)も基準項目に入っています。
基準値を見ればわかるとおり、メタボリックシンドロームあるいは特定健診に該当する人は、病気ではありません。仮にすべての項目に該当したとしても必ずしも病気とはいえないのです。
しかし放置すれば、近い将来、狭心症や心筋梗塞、脳卒中になる確率が格段に高くなります。そうならないために、いまから予防しましょうと注意喚起をしているのが、特定健診です。
ところが、最近恐ろしいことがわかってきました。糖尿病、高血圧症、脂質異常症(高脂血症)といった、病院での治療が必要な病気になる手前の段階でも、すでに動脈硬化が進んでいるのです。ちょっと太めの人が、ちょっと血圧が高くて、ちょっとコレステロール値(または中性脂肪値)が高くて、ちょっと血糖値が高い。太めの人にこの「ちょっと高い」が重なると、動脈硬化がすごいスピードで進んでいきます。
だから、メタポリックシンドローム診断や特定健診では肥満があるか否かを重要視しているのです。 日本人は、もともと太らなくても糖尿病になりやすい遺伝子を持っているのです。
そんな日本人が若い頃から太ってしまったら、どうなるでしょうか。当然、糖尿病や引き続き起こる動脈硬化の発病が早まってしまいます。そんな若い人の糖尿病の芽を早く発見し、早期に摘み取って発症しないように生活改善を促するのが、特定健診の目的です。 ちょっと太めでも、ちょっと数値が高めでも、病気ではないし、誰も何とも言いません。でもその蓑では確実に、動脈硬化が進行しているのです。それも、強烈なスピードで進行しているのです。
]]>2位と3位は動脈硬化を原因とする疾患であり、この2つを合わせると26.5 % 。ガンの30.1 % に迫る勢いです(厚生労働省平成21年「人口動態統計月報」(概数) の概況より)。ガンの恐ろしさだけが注目されていますが、動脈硬化も死につながる恐ろしい病態なのです。
この動脈硬化の最大の危険因子が、糖尿病です。その本態は「血管の炎症」です。繰り返しになりますが、ここでおさらいしましょう。そして以下の説明をあなたの頭にたたき込んでください。
血液中に過剰になった糖や、その燃えカスであるAGEという物質が、血管の内皮細胞を傷つけます。この傷によって炎症が起き、動脈硬化が進行していきます。そのスタートラインとなるのが食後の急激な高血糖、すなわちグルコーススパイクです。
グルコーススパイクが動脈硬化を促進させる - ガンより怖い糖尿病
食後、急激に血糖値が上昇すると、大量の糖が血管を刺激します。これが単球接着を引き起こし、血管への炎症をスタートさせ、血管が破壊されていくのです。糖尿病の代表的な合併症である腎症や網膜症は、微小血管が破壊されて起きる病気です。破壊力は小さいけれど、長期にわたって絶え間なく破壊され続け、慢性炎症を起こします。 大きな破壊力で大血管に急性の炎症を起こし、急速に血管を破壊するのが大血管障害です。これが、脳卒中や心筋梗塞につながっていきます。私は、血圧や動脈硬化に興味を持ち、いまも高い関心があります。 寝たきりを防ぐには、血管のマネジメントが非常に重要です。そのためにも、血糖や血圧のコントロールが必要なのです。
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