快眠 3 ポーズ を紹介します。これは起床後、昼、夕方に行う 3 ポーズです。5分もかからないので誰でもできますし、体内時計も正常化します。
快眠 3 ポーズ 体内時計も正常化
生体リズム を整える
具体的に 快眠 3 ポーズ のやりかたです。これは、脳や体に備わっているメラトニンリズム、睡眠・覚醒リズム、深部体温リズムを整え、不眠を改善する簡単な方法です。やり方を見ていく前に、3 つの生体リズムに基づく睡眠の法則についてです。
生体リズム とは 動物、植物そして微生物など、すべての生物が持っている生命現象の周期的な変化を、「生物リズム」あるいは「生体リズム」といいます。
サーカディアンリズム(概日リズム)は、自然環境サイクルの長さ、つまり一昼夜に一致したリズムであり、大多数の生物の基本的なリズムです。
まず、メラトニンリズム。脳内にあるメラトニンという睡眠物質は、基本的に夜9時ごろから分泌が盛んになって眠気を促しはじめ、朝に光を感知すると減少して目覚めやすい状態にします。
つまり、朝に日光を浴びてメラトニンを減らすことが重要で、すると夜にはメラトニンが増え、寝つきがよくなるのです。 日光を浴びると脳内の体内時計が出発点になって正確に時が刻まれるしくみになっています。
朝起きて光を浴びてメラトニンを減少させれば、眠り時計がリセットされます。 ただし、正常にリセットされるのは、起床から4時間までです。起床したら4時間以内に太陽の光をたっぷり浴びることです。
朝日を浴びることで眼から入った太陽の光の情報を、網膜を通して視交叉上核が受け取ると、視交叉上核にある体内時計がリセットされ、24時間という一定のリズムに調整されるのです。 リセットされた情報は、すぐさま全身の体内時計に伝達されます。
次に、睡眠・覚醒リズムは、脳の働きを保つために大脳を積極的に眠らせるしくみです。これは、起床から8時問後と2時問後の、1日に2回発動します。 起きている間にメラトニンをはじめ、さまざまな睡眠物質が脳内にたまります。そして、睡眠物質が増えるほど脳の働きが低下します。 仕事のミスや事故などが増えるのは睡眠物質がたまるからです。
そこで、たまった睡眠物質を減らし、意欲的に脳を働かせるには、睡眠・覚醒リズムの乱れを正すことが重要になります。それには、昼2時ごろに仮眠(ただし30分以内)をとるといいのですが、仕事場などではなかなかそうもいかないでしょう。
しかし、イスなどに座って目を閉じるだけでも効果があります。 目を閉じる効果は、時問の長さによって異なり、10~15分が理想です。とはいえ、目を閉じて根から入る情報を遮断し脳を休めることが大切なので、5分でも目を閉じることをおすすめします。
深部体温リズムは、起床から11時問後に最も高くなり、2時問後に最も低くなります。人は、深部体温が高くなればなるほど体がよく動き、下がるほど眠くなります。不眠で悩む人の多くは深部体温リズムが乱れていて、本来は深部体温が下がっているはずの時問常に体温が上がった状態で床に就くため、寝付ききが悪くなるのです。そこで、体温が高まるピークに当たる夕方に、軽い運動や姿勢をよくする動作で筋肉を使い、深部体温をきちんと上げておくことが重要になります。
朝・昼・夕に 3 回だけ行う
以上のような3つの生体リズムを、生活行動に置き換えてみると、次のような睡眠の法則が成り立ちます。それは「起床から4時問以内に日光を浴び、6時問後に目を閉じ、6時問後に姿勢をよくする」ことです。 この法則を、それぞれの時問苛に、わずか5分ずつで行える簡単な動作にしたのが「快眠3ボーズ」。具体的には、次の動作を行います。
快眠 3 ポーズ
- 朝 起床後4時間以内(朝6時起床なら午前10時ごろまで)に5分間、日光を浴びる(メラトニンリズム)。
- 昼 起床6時間後(朝6時起床なら昼のほ時ごろ)に5分間、目を閉じる(睡眠・覚醒リズム)。
- 夕方 起床から11時間後(朝6時起床なら夕方5時ごろ)に5分間、イスなどに座って姿勢をよくする(深部体温リズム)。
以上の 快眠 3 ボーズは、どれも実に簡単。5分ずつやるだけなので、誰でも可能です。 忙しい人は、最初のうちは自分の生活の中で乱れていると思われる生体リズムを正すポーズだけを行ってもかまいません。2~3週間続ければ、 自然にほかのボーズも実践しやすくなるはずです。
生体リズムが正されるまでには、早い人でも 2 ~ 3 週間はかかります。ただし、いったん正されると、以後、よい生体リズムが保たれるでしょう。寝つけない、寝ている途中で日が覚めるなど、慢性的な不眠に悩む人だけでなく、日中に仕事がはかどらないといった人も、ぜひ、快眠3ボーズを実践してみてください。
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