私は身長165cmで、女性としてはまずまずの長身です。学生時代には、ガリガリといってもいいほど痩せていて50kgしかなかったのですが、20代になると54kgになり、30代でもまた増えていきました。
決定的だったのは、結婚でした。2年前に結婚した主人は関西出身で、いわゆる「粉もの」が大好きな人です。しかも、お肉が大嫌い。自然と、我が家の毎日の食卓は朝食にパスタ、昼食にラーメン、夕食に冷やし中華という感じになりました。
毎日ではあゃませんが、タコ焼きだけで夕食を済ませることもありました。そうこうするうち、40代になった私はどんどん太っていきました。気がつくと70kgを超え、ピーク時には72kgぐらいあったと思います。
そのとき思い出したのが、いつか聞いたラジオ番組でした。偶然、私の叔母が先生の外来で痩せたという話を聞いたこともあり、「次は私!」とばかりにクリニックに通うと決めたのです。
太る原因は炭水化物とわかっているのですから、先生の指導どおりに肉・卵・チーズ中心の食生活に変えました。炭水化物はほとんどやめ、ときどきパンをかじる程度です。これだけで、毎月1.5kgずつ順調に落ちていきました。1日単位で見れば、体重は増えたり減ったりを繰り返します。
生理前などには、その影響もあります。でも、多少増えてもそれは体調変化が原因であって、リバウンドではないとわかっていましたから、慌てることもありません。
今のところ、「しっかり噛む」ダイエットを始めて7ヶ月で、約11kg落ちています。でも、少しずつジワジワと減ったので、痩せたという自覚はさほどありません。
気がつくと、洋服がゆるくなっている感覚です。スタート時には13号ぐらいでしたが、今では9号が楽に入っています。
特にうれしかったのは、下半身から落ちたこと。女性がダイエットをすると、バストばかりが落ちてしまって下半身は痩せないといいますが、私の場合はまったく逆でした。今は、友だちにも「きれいな脚ね」と言われています。
脇腹が細くなったことでウェストがくびれ、ボディラインがはっきり見えてバストアップもしています。親戚には、「きれいな痩せ方だね」と言われました。
自己流のダイエットをすると、顔だけがげっそりすることが多いのですが、私にはそれがないそうです。
主人には、「買い物に行ったときに探すのが大変だ」と言われます。四角だった後ろ姿が変わったので、スーパーなどではぐれたときに、私を見つけられないのだそうです。食べ物の好みは、完全に変わりました。私は炭水化物が大好きでしたし、「スナック菓子のMちゃん」と呼ばれるほど間食することも多かったのですが、今ではまったく食べたくなりません。
あれほど好きだったパスタも、お寿司も食べたいと思わないのです。「しっかり噛む」ダイエットを始めてしばらく過ぎた頃、脚が筋肉痛を起こしたり、つるようになったりしました。特に運動をしていないので、不思議に思って先生に相談すると、「それは、タンパク質を食べたことで筋肉の細胞が活性化しているから。あなたが今、新しく生まれ変わっている証拠です」と言われました。
おそらく、それは先生の診断どおりだったと思います。筋肉痛は、すぐに消えてなくなりました。血液の数値に関しても、驚くほど変化しています。基準値の倍以上の294mg/dlもあった中性脂肪の数値は、55mg/dlにまで減りました。
それとともに、長年の持病だった偏頭痛と肩こりもなくなりました。仕事で多少の無理をしても、疲れないようになっています。太っていたときには、しゃがむことすら大変でしたが、今では階段をすいすい歩いています。「よく噛む」ダイエットは、努力ともいえないような小さな努力をするだけで、楽に痩せられる方法です。