「高血圧」と一致するもの

日本人は脳卒中を起こしやすい体質

動脈硬化は全身の病気です。心臓の冠動脈が詰まれば心筋梗塞、脳の動脈が詰まれば脳梗塞、下肢の動脈が詰まれば下肢動脈閉塞症になります。そのうちのどこに症状が出るかは、誰にもわかりません。

しかしここに、興味深いデータがあります。日本人の動脈硬化は、頭に出やすい。つまり脳卒中として脳に出るケースが圧倒的に多いのです。日本人の死亡原因で見ると、たしかに心筋梗塞より脳卒中のほうが少ないですが、これは死に直結する脳出血が減り、認知症や半身麻痺などの後遺症を残して長く生きる脳梗塞が増えたからです。

日本では、心筋梗塞を1とすると、脳梗塞で倒れる人はその3倍。1対3の割合で脳梗塞が多くなります。アラブや中東の人たちは、心筋梗塞と脳梗塞の割合は1対1 、アングロサクソン、つまり白人に至っては、心筋梗塞3 に対して脳梗塞1 です。

人種によってこんなに差があるものかと、驚きます。 しかも、必ずしも高血圧症の人が脳卒中になるとは限りません。むしろ高血圧症の一歩手前、軽症高血圧の人に脳梗塞を起こす人がたくさんいるのです。

実際に、最も多く脳卒中を発症しているのは、上の血圧が130 ~140 mHGくらいの人たちです。 血圧が130ちょっとの人はどこにでもいますよね。しかもその人たちは、自分が高血圧だという意識がほとんどありません。たとえば、10人が脳卒中で救命センターに運び込まれたとします。そのうち4人は、いままでの人生で一度も高血圧と言われたことがない。そういう調査報告もあります。 高血圧ではないから安心と思っている人、心して聞いてください。脳卒中は必ずしも高血圧の病気ではないのです。 血圧が高い人は、生活習慣を見直し積極的に下げるために行動しましょう!

脳卒中は1つのリスクで発症する

脳卒中は1つのリスクで発症します。「ちょっと高め」がいくつか重なると、動脈硬化がすごいスピードで進行すると、言いました。ところが脳梗塞で倒れた人たちを調べると、たった1つのリスクだけでほかに何もなかったというケースを多く認めています。

動脈硬化が進行したその先にある代表的な病気が、心筋梗塞と脳卒中です。しかし、この2つの病気には、その起こり方に違いがあります。

病気には、その病気を起こしやすくする危険因子があり、それをリスクといいます。 動脈硬化の場合なら、血圧が高め、血糖値が高め、コレステロール値が高め、肥満がある、喫煙習慣がある...などがリスクとなって動脈硬化を進行させます。リスクが多ければ多いほど、その病気にかかりやすくなります。 一般的には、そのように考えられています。たとえば心筋梗塞は、リスクが1つずつ増えるにしたがって起きる危険度が高くなるという性質を持っています。

ですから、心筋梗塞はリスクがたくさんある人を集中的に指導すると、高い予防効果が期待できます。 ところが、必ずしもそうでない病気もあります。

たとえば、脳梗塞です。心筋梗塞と同じように血管が詰まる病気でありながら、脳梗塞はリスクが1つでもあれば起こる可能性が大きい。その危険度は、リスクが2つ、3つ、4つの人と比べて、そんなに低くないのです。 ですから、仮にメタボではなくても、リスクが1つでもあればきちんとした指導を受けることが脳梗塞を防ぐためには必要なのです。

「ちょっと高め」がいくつか重なると、動脈硬化がすごいスピードで進行すると、言いました。ところが脳梗塞で倒れた人たちを調べると、たった1つのリスクだけでほかに何もなかったというケースを多く認めています。 たった1つのリスクとは、高血圧です。しかし高血圧といっても、「ちょっと高め」にすぎません。ほとんどが、1の血圧で130台とか140台です。血圧が130~140台で、ほかに悪いところは何もないというあなた。さぞかし自分が健康だと思っているでしょう。もしかしたらそんなに太っていないので、特定健診も受けていないかもしれませんね。

でも、本当はそういう人がいちばん危険なのです。「自分は大丈夫」は、大丈夫ではないのです。「血圧がちょっと高めなだけ」と写っあなた。自分は脳梗塞のハイリスク群だと自覚して、ぜひ健診だけは受けてください。

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LDL コレステロール 適正 は HDL 比で考える

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LDL コレステロール 適正は HDL 比で考えるのが正解です。LDLコレステロールが増えると、血管の中がどんどん汚れていきます。ここで血管の掃除屋さんのHDL コレステロールが十分多ければ血管の中はきれいなままですが、LDL コレステロールが多い人はHDL コレステロールが少ないことが多いのです。

LDL コレステロール 適正 の考え方

LDL コレステロールは、体内の余分なコレステロールを組織に運び、動脈壁に沈着し、動脈硬化の原因となります。一方、HDLコレステロールは、組織や動脈壁から余分なコレステロールを回収し、肝臓に運んで排泄する役割を果たします。

そのため、HDLコレステロールが少ないと、余分なコレステロールが体内に留まり、動脈硬化の進行が進みやすくなります。

LDLコレステロールが多く、HDLコレステロールが少ない状態は、動脈硬化のリスクを高める要因となります。このような状態は、心血管疾患や脳血管疾患などの発症リスクを増加させる可能性があります。

そのため、健康的な生活習慣を通じてLDLコレステロールを減少させ、HDLコレステロールを増加させることが重要です。これには、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、ストレス管理などが含まれます。

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LDL コレステロールと HDL コレステロールはちょうど、部屋を散らかす子どもと掃除するお母さんの関係によく似ています。タバコや高血糖、そして高血圧で血管の内側に傷がつき、そこから LDL コレステロールがしみ込んでたまってしまいます。

これを駆除しようとしてマクロファージが LDL コレステロールを食べ尽くそうとしますが、 LDL コレステロールのあまりの多さにマクロファージは力尽きて死んでしまいます。

こうしてできたマクロファージの死骸と LDL コレステロールの塊によってできたものがプラークです。

高LDLコレステロール血症
LDLコレステロール 140 mg/dl 以上
低HDL コレステロール血症
HDLコレステロール40 mg/dl 未満
高トリグリセリド血症
中性脂肪150 mg/dl 以上

それでは、LDLコレステロール値は 140 mg/dl を超えていなければ大丈夫なのでしょうか。いいえ、そうでもありません。心筋梗塞を起こす人の LDL コレステロール値の平均は、多くの観察研究で 120m g/dl を下回っています。

もともと、LDL コレステロールは、「悪玉コレステロール」と呼ばれ、動脈壁に蓄積して動脈硬化や心臓病のリスクを高める可能性があります。120m g/dl を下回っている人が心筋梗塞を起こしてしまうのはそうです。この数値だけで判断するのは,間違っているということになります。

そこで、いま注目されているのが LDL HDL 比です。LDLレステロール値をHDLコレステロール値で割ります。この比が 2.0 を超える人は、心筋梗塞や脳梗塞が起りやすいことがわかっています。

予防ではこのLSL/HDL比を2.0以下に、また、すでに脳卒中や心筋梗塞を起こしたことのある人、あるいは糖尿病の人は1.5以下にすることを目標に、調整を考えます。

心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすい人の LDL HDL比について

心筋梗塞や脳梗塞などの血管障害を起こしやすい人の LDL(低比重リポタンパク)と HDL(高比重リポタンパク)の比率については、一般的に以下のような特徴がわかってきました。

  1. 高LDLコレステロール: LDLコレステロールは、動脈硬化や血管の壁に蓄積し、血管を詰まらせる原因となります。心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高い人は、通常、血中のLDLコレステロールが高い傾向があります。

  2. 低HDLコレステロール: HDLコレステロールは、体内の余分なコレステロールを運び、肝臓に排出する役割を果たします。HDLコレステロールが低いと、余分なコレステロールが体内に留まり、血管に蓄積しやすくなります。したがって、低HDLコレステロールは心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める要因となります。

  3. 高LDL/HDL比: 心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすい人は、一般的にLDLコレステロールが高く、HDLコレステロールが低いため、LDL/HDL比が高い傾向があります。LDL/HDL比が高いと、動脈硬化や血管障害の進行が進みやすくなり、心血管イベントの発生リスクが増加します。

心筋梗塞や脳梗塞の予防には、LDL/HDL比を改善するための努力が重要です。これには、健康的な食事、適度な運動、禁煙、ストレス管理などのライフスタイルの改善が含まれます。

プラークが意味するもの

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頸動脈エコーでは、コレステロールの層の厚さだけでなく、プラークの有無もわかります。通常、40歳くらいの人で、稔頚動脈にプラークを見ることはほとんどありません。しかし、糖尿病や境界型糖尿病に限っては、比較的若い頃からこのプラークがしばしば見つかります。

プラークの一部が破綻したり、破綻したプラークのカケラが血流に乗って脳に飛んでいくと、おそらく脳梗塞を起こします。プラーク自体は、何の症状も起こしません。またプラークがあるからといって、必ず脳梗塞を起こすというものでもありません。

しかし、こんなに太くて大きな血管にコレステロールが沈着して固まっているのなら、もっと小さい血管はさぞかし...と思うのは、私だけでしょうか。プラークができやすい場所があります。稔頚動脈は脳へ向かう内頚動脈と、顔へ向かう外頚動脈に枝分かれします。 この分岐部にあたるところは、少し径が太くなるのが普通です。

画像で「ココ」と示す部位は、非常に多くの人で1 mm以上に肥厚しています。とくに、糖尿病や境界型糖尿病などがあると、3 mm以上にまで肥厚しているものもよく見かけます。 その多くは、将来成長していきます。

血流は、この突起の周囲で乱流をつくり、突起の前後の部位をますますえぐっていきます。ここに大きな圧がかかり続けると、プラークがちぎれて飛ぶという、考えただけでも身の毛のよだつことが起きます。

経験した症例で一例、このような状態で発見したプラークが2週間後にちぎれて飛んで、左半身が完全麻痺した方がいました。恐ろしいことに、その日まではまったく無症状です。糖尿病がある人、脂質異常症がある人、高血圧症の人は、ぜひ、頸動脈エコーの検査を受けてください。

場合によっては保険が使えます。まったく症状がないのに、自分の体の中に大事故の芽が潜んでいることを知っていれば、人生が少し変わるかもしれません。本気になれば、ある程度はプラークを取り除くことができるのです。重要なことは、ご自分にプラークが発見されたとき、あなたの家族もプラークができる環境に首までしっかり浸かっているということです。

いまのあなたの状態は、子どもたちの30年、40年後に確実に反映されます。目をそらさず、必ず家族で食生活の改善に取り組んでください。プラークの発見は、あなただけでなく子どもたちの健康と未来をつくるチヤンスなのですから。 硬くなってしまった血管もやり方次第で柔らかな血管に回復できるなども参考になります。

日頃から桜島活泉水で血液さらさらなどを飲む習慣も大切です。血管の中は目に見えませんが、状態が悪化しだすと非常にデリケートです。

食べたものが血管に与える影響について

血管にはこれまで食べたものが反映されるところで、頚動脈エコーで映し出されるコレステロールの層は、何を意味しているのでしょぅか。特別な病気になると、コレステロール層も厚くなるのでしょうか。

たしかに、糖尿病や境界型糖尿病、脂質異常症、高血圧症の人では顕著なIMT (内中膜肥厚) が見られる傾向があります。しかし、知っておいてほしいことは、このコレステロールの層は、100% あなたがいままでに食べてきたコレステロールの残りカスがくつついたものだということです。 血管の壁に、どのくらいの残りカスがついているか。頚動脈エコーは、実に単純明快な検査です。血糖値検査のように、1ヶ月ぐらい前からあわてて食事療法などをしても、IMTの結果は変わりません。

いままでのあなたの何十年かの人生の、よいも悪いもその結果が、愚直に映し出されます。 総頸動脈の内中膜の厚みを計ったとき、最も厚かった部位の厚さを「MAX IMT」と呼び、その両側10 mのところを計って平均したものを「MEAN IMT」といいます。

「動脈硬化は年齢とともに進む」という考えが一般的だと思いますが、血管をたくさん観察していると、本当にそうだろうかという疑問が生まれます。 たしかに大きな集団で見ると、平均値は年齢とともに厚くなるのですが、歳をとってもこのコレステロールの層が薄い人はたくさんいます。そういう人は、やはり糖尿病もなければ脂質異常症もなく、多くは高血圧もない。そんな人をよく見かけます。

逆に言うと、糖尿病、脂質異常症、高血圧症は、直接的にも間接的にもコレステロールの層を厚くする方向に働いていると思います。

食後高血糖は動脈硬化を促進させます。

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塩分 の 過剰摂取がなぜ 血圧 を上げてしまうのか

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塩分 の 過剰摂取がなぜ 血圧 を上げてしまうのか 疑問に思っている人も多いかもしれません。

血圧と塩分(ナトリウム)の関係が具体的になったのは、この 50 年くらいの研究成果です。なかでも興味深いのは、塩分摂取量が少ない民族では、年齢を経ても血圧が上がらないことです。

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有名なのは、南米ギアナ高地に住むヤノマミ族。 彼らは調理に塩分を使わないため、血圧が高い人はほとんどおらず、上の血圧が 100 mmHG 下の血圧が 60 mmHG くらいしかいません。

逆に塩分摂取が多い民族は、年齢とともに血圧が上がることがわかっています。なぜ、塩分をとりすぎると血圧が上がるのでしょうか。

簡単に説明すると人間の体には、ナトリウム濃度をつねに一定に保とうとする働きがあります。 ところが、塩分をとりすぎたり、腎臓でのナトリウムの排泄機能が低下すると、体内にナトリウムがたまってきます。

塩分が多いものを食べると、水が飲みたくなります。それと同じように、体内にナトリウムがたまると、それを薄めようとして水分が集まってきます。そのために血液をはじめとする体液の量が増えて、血液であれば、それを押し出すときに血管に強い圧力がかかってしまうのです。

動脈硬化の最も簡便な指標として血圧を見るとき、塩分は動脈硬化を進行させる物質であることがはっきりわかります。

塩分は摂りすぎないように努力しなければいけませんが、過剰に摂取してしまった場合はどうしたらいいのでしょうか? それはカリウムを摂ることです。カリウムは塩分を排泄します。 食塩を排泄するカリウムが豊富「りんご」 カリウムは、果物、生の野菜などに多く含まれます。

カリウムに血圧を下げる働きがあることがわかったのは、もう 50 年以上も前のことです。そして血圧を下げる薬がまだなかった時代に、どうしようもない高血圧が、ご飯とくだものだけの食事でみごとに下がったという例も報告されました。

それからもう1つやっかいなことは、カリウムを多く含んだ食べ物も、ゆでたり煮たりして調理すると、かなりの量のカリウムが失われてしまうことです。ナスやキュウリなども、輪切りにして水洗いすると、カリウムはほとんど失われてしまいます。

ということは、生のまま食べられるくだものや野菜(キャベツ、レタス、パセリなど) が好ましいということになります。それも新鮮なものがすすめられます。
トマトやオレンジなどもそのまま食べるか、フレッシュジュースにするのならカリウムが豊富に含まれていますが、缶詰めとか缶入りのジュースになったものには、カリウムはほとんど入っていません。

カリウムを豊富に含む食材

食品名 加工状態など 含有量
切り干し大根 乾燥 3,500mg
ドライトマト 乾燥 3,200mg
アボカド 720mg
ほうれん草 690mg
枝豆 冷凍 650mg
人参 630mg
モロヘイヤ 530mg
小松菜 500mg
ブロッコリー 460mg
西洋かぼちゃ 450mg

カリウムを豊富に含む果物

食品名 加工状態など 含有量
ドライバナナ 乾燥 1,300mg
ドライマンゴー 乾燥 1,100mg
干し柿 乾燥 670mg
バナナ 360mg
メロン(露地栽培、青肉/赤肉) 350mg
キウイフルーツ(黄) 300mg
キウイフルーツ(緑) 290mg
さくらんぼ(米国産) 260mg
さくらんぼ(国産) 210mg
パパイア(完熟) 210mg

生命に大きく関わる「動脈硬化」とは?

動脈硬化(どうみゃくこうか)とは、 動脈の壁が厚く・硬くなり、血液の流れが悪くなる状態のことです。進行すると、心臓病や脳卒中などの重大な病気の原因となります。

動脈硬化とは

「動脈硬化」という言葉は、いまではとても耳に馴れた、なじみ深い言葉の1つです。動脈という、心臓から全身に酸素を送る血管が硬くなったり、厚くなったりして血のめぐりが悪くなったり、血管が詰まった状態を総称して、「動脈硬化」といいます。

動脈硬化の代表的なものに、「アテローム性粥状動脈硬化」があります。これは血管の内側に、プラークと呼ばれるドロドロになった異常なコレステロール(体内脂質の1つ。本来は各種のホルモンや細胞膜、胆汁酸などの原料になるもの)の塊がたまって起こります。 その成り立ちは、次のとおりです。

  1. 血管の内皮細胞にLDLコレステロールが入り込む

    そこへ、マクロファージという免疫細胞(外敵などと戦う細胞)が現れて、この超悪玉コレステロール(酸化LDL)を食べ尽くし、血管を掃除しようとします。 ところが、超悪玉コレステロールが多すぎると、それを掃除しきれずに、マクロファージが途中で死んでしまいます。その死骸と酸化LDLコレステロールが血管の中にたまると、ブヨブヨしたプラークができます。このブヨブヨのプラークは、とてももろくて破れやすい状態です。これがたまると、血管の内膜がもろくなり、内腔の形もいびつになります。

  2. ブヨブヨしたプラークの一部が破れる

    これを塞ごうとして、そこに血小板などがくつつきます。このため、内腔が狭くなった血管は簡単に目詰まりを起こしてしまいます。これを「プラークの破綻」といいます。プラークの破綻はある日突然起こり、血管を詰まらせます。したがって心筋梗塞や脳梗塞も、ある日突然起こります。

動脈硬化は血管の修復作業

「人は血管とともに老いる」と言ったのは、カナダの医学者ウィリアム・オスラー博士です。長い年月血管を使用していると、血管はしだいに硬くなったり、詰まりやすくなあってきます。この、血管を硬くするいちばん大きな要因は血圧です。

血圧とは、血管にかかる庄のことで、心臓から出る血液量(心拍出量)と血管の硬さ(末梢血管抵抗)で決まります。心臓は収縮と拡張を繰り返しながら、血液を全身に送っています。

この、心臓が収縮したときに血管壁にかかる圧力が収縮期血圧(上の血圧)です。 この時血圧が最も高くなるので、「最大血圧」ともいいます。

一方、心臓が拡張したときに血管にかかる圧力が拡張期血圧(下の血圧)です。血管にかかる圧力は最も弱くなるので、「最小血圧」ともいいます。 血圧が高くなる理由は、1.心臓から送られてくる血液の量が多いとき2.血管が狭くなったために血液が流れる際に血管壁を内側から押す力が強くなつたとき、です。 当然、血圧が高いほど血管は傷みます。心臓は1日に約10万回拍動して、血液を送り出します。そのたびに血管の壁は強くたたかれます。

1日10万回もたたかれれば、血管の壁はいやでも硬くなってしまいますね。血管が硬くなれば、血液を先へ先へと送っていくのに必要な柔軟性が失われて、体のすみずみに血液がめぐりにくくなります。すると、すみずみの細胞が「もっと血液を送れ」「もっと栄養をよこせ」というサインを出します。 このサインを感じた脳は心臓や血管に、もっと圧力を上げて、もっとたくさんの血液を送るように命令を出します。すると、血圧が上がります。血圧が上がると何が起こるでしょうか。

血管のいろいろなところに無理がかかり、簡単に言うと、破れやすくなります。体はこの破れやすいというピンチを敏感に察して、血管を補強します。 すると血管は硬く、分厚く、補強されます。血管が補強されて強敵になることは、一見よさそうですが、皮肉なことに強敵になったことで血管は硬くなり、血液がめぐりにくくなって、

さらに高い圧力を必要とするようになります。 この堂々めぐりで、血管は歳を追うごとにますます硬くなります。つまり動脈硬化は、血管の填れそうなところを補強するために起こる、ある意味、自然の修復作業なのです。こんなことを言うと、必ずといっていいほど、「自然の修復作用なら問題ないのではないか」と言う人がいます。ところがこれが、問題大ありなのです。

なぜなら、血圧が低ければこの修復も少なくゆっくりですが、血圧が高くなればなるほど加速度的に修復が増えるからです。 そして、糖尿病、脂質異常症など、血管の環境を損なうものが多ければ多いほど、この修復の作業は大きく、多く、速くなっていきます。

つまり、それだけ動脈硬化が進むわけです。

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2008 年に日本に導入された特定健康診査。その診断基準を見てどのように感じたでしょうか?「厳しすぎる」と感じた人も多いはずです。医療関係者の間にも、当初そうした批判が少なからずありました。

特定健康診査は、いわゆる「健診」のことで、問診、身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査などを行います。 メタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を早期発見し、早期対策に結びつけることが目的です。 特定健康診査は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、保険者が実施することになっています。

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しかし、特定健診の目的を考えれば、それは必ずしも厳しすぎることはありません。むしろ、それくらい厳しくしないと、この健診の目的は達せられません。

なぜなら、特定健診は病気を見つけるためのものではなく、「動脈硬化が速く進む集団を検出するための健診」だからです。特定健診の診断基準は、メタポリックシンドロームの診断基準をほぼ流用しています。

メタボリックシンドローム 診断基

腹囲男性 85 cm以上、女性 90 cm 以上に加えて以下のうち 2 項目以上

  1. 血圧(上の血圧 130 mmHG 以上、下の血圧 85 mmHG 以上のいずれかまたは両方、薬剤治療を受けている場合)
  2. 血中脂質(中性脂肪150 mg / dl 以上、HDLコレステロール 4 mg / dl 未満のいずれかまたは両方、または薬剤治療を受けている場合)
  3. 血糖値(空腹時110 mg / dl 以上、または薬剤治療を受けている場合)

メタボリックシンドローム の診断基準の必須項目である腹囲の測定は、本来なら CT で内臓脂肪を撮るべきなのですが、それを簡便化して、腹囲を計ります。内臓脂肪はおへそを中心としたお腹まわりに蓄積されます。

メタボリックシンドロームの腹囲の基準値は、腹部 CT 検査の内臓脂肪面積 102 cm に相当します。内臓脂肪面積が 100 平方センチ以上になると、それ以下より合併する疾患の数が5割アップすることがわかっています。

この腹囲の基準の妥当性についてはさまざま窒息見もあるようですが、ここではその議論はほかに譲ります。 血圧の数値は、高血圧症の診断基準の「正常高値」の値に準じています。

上の血圧(収縮期血圧)、下の血圧(拡張期血圧)とも、これより高い圧力が血管壁にかかると、動脈硬化が促進されるリスクが高くなります。 血中脂質の検査では、中性脂肪とHDL(善玉)コレステロールを調べます。

HDL コレステロールは余分な LDL (悪玉)コレステロールを掃除するコレステロール。中性脂肪が増えて HDL コレステロールが減ると、動脈硬化を促進させる LDL コレステロールが増えてしまいます。 LDL コレステロールは動脈硬化を促進させる直接的な因子なので、

この診断基準にはあえて入れていないようです。血糖値の基準値は、メタポリックシンドロームに比べて、特定健診ではさらに厳しい値(空腹時 100 mg / dl 以上)が設定されています。 また、特定健診は空腹時血糖に加えてヘモグロビンA1C(5.2% 以上)も基準項目に入っています。

基準値を見ればわかるとおり、メタボリックシンドロームあるいは特定健診に該当する人は、病気ではありません。仮にすべての項目に該当したとしても必ずしも病気とはいえないのです。

しかし放置すれば、近い将来、狭心症や心筋梗塞、脳卒中になる確率が格段に高くなります。そうならないために、いまから予防しましょうと注意喚起をしているのが、特定健診です。

ところが、最近恐ろしいことがわかってきました。糖尿病、高血圧症、脂質異常症(高脂血症)といった、病院での治療が必要な病気になる手前の段階でも、すでに動脈硬化が進んでいるのです。ちょっと太めの人が、ちょっと血圧が高くて、ちょっとコレステロール値(または中性脂肪値)が高くて、ちょっと血糖値が高い。太めの人にこの「ちょっと高い」が重なると、動脈硬化がすごいスピードで進んでいきます。

だから、メタポリックシンドローム診断や特定健診では肥満があるか否かを重要視しているのです。 日本人は、もともと太らなくても糖尿病になりやすい遺伝子を持っているのです。

そんな日本人が若い頃から太ってしまったら、どうなるでしょうか。当然、糖尿病や引き続き起こる動脈硬化の発病が早まってしまいます。そんな若い人の糖尿病の芽を早く発見し、早期に摘み取って発症しないように生活改善を促するのが、特定健診の目的です。 ちょっと太めでも、ちょっと数値が高めでも、病気ではないし、誰も何とも言いません。でもその蓑では確実に、動脈硬化が進行しているのです。それも、強烈なスピードで進行しているのです。

ガンより怖い糖尿病