塩分 の 過剰摂取がなぜ 血圧 を上げてしまうのか

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塩分 の 過剰摂取がなぜ 血圧 を上げてしまうのか 疑問に思っている人も多いかもしれません。

血圧と塩分(ナトリウム)の関係が具体的になったのは、この 50 年くらいの研究成果です。なかでも興味深いのは、塩分摂取量が少ない民族では、年齢を経ても血圧が上がらないことです。

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有名なのは、南米ギアナ高地に住むヤノマミ族。 彼らは調理に塩分を使わないため、血圧が高い人はほとんどおらず、上の血圧が 100 mmHG 下の血圧が 60 mmHG くらいしかいません。

逆に塩分摂取が多い民族は、年齢とともに血圧が上がることがわかっています。なぜ、塩分をとりすぎると血圧が上がるのでしょうか。

簡単に説明すると人間の体には、ナトリウム濃度をつねに一定に保とうとする働きがあります。 ところが、塩分をとりすぎたり、腎臓でのナトリウムの排泄機能が低下すると、体内にナトリウムがたまってきます。

塩分が多いものを食べると、水が飲みたくなります。それと同じように、体内にナトリウムがたまると、それを薄めようとして水分が集まってきます。そのために血液をはじめとする体液の量が増えて、血液であれば、それを押し出すときに血管に強い圧力がかかってしまうのです。

動脈硬化の最も簡便な指標として血圧を見るとき、塩分は動脈硬化を進行させる物質であることがはっきりわかります。

塩分は摂りすぎないように努力しなければいけませんが、過剰に摂取してしまった場合はどうしたらいいのでしょうか? それはカリウムを摂ることです。カリウムは塩分を排泄します。 食塩を排泄するカリウムが豊富「りんご」 カリウムは、果物、生の野菜などに多く含まれます。

カリウムに血圧を下げる働きがあることがわかったのは、もう 50 年以上も前のことです。そして血圧を下げる薬がまだなかった時代に、どうしようもない高血圧が、ご飯とくだものだけの食事でみごとに下がったという例も報告されました。

それからもう1つやっかいなことは、カリウムを多く含んだ食べ物も、ゆでたり煮たりして調理すると、かなりの量のカリウムが失われてしまうことです。ナスやキュウリなども、輪切りにして水洗いすると、カリウムはほとんど失われてしまいます。

ということは、生のまま食べられるくだものや野菜(キャベツ、レタス、パセリなど) が好ましいということになります。それも新鮮なものがすすめられます。
トマトやオレンジなどもそのまま食べるか、フレッシュジュースにするのならカリウムが豊富に含まれていますが、缶詰めとか缶入りのジュースになったものには、カリウムはほとんど入っていません。

カリウムを豊富に含む食材

食品名 加工状態など 含有量
切り干し大根 乾燥 3,500mg
ドライトマト 乾燥 3,200mg
アボカド 720mg
ほうれん草 690mg
枝豆 冷凍 650mg
人参 630mg
モロヘイヤ 530mg
小松菜 500mg
ブロッコリー 460mg
西洋かぼちゃ 450mg

カリウムを豊富に含む果物

食品名 加工状態など 含有量
ドライバナナ 乾燥 1,300mg
ドライマンゴー 乾燥 1,100mg
干し柿 乾燥 670mg
バナナ 360mg
メロン(露地栽培、青肉/赤肉) 350mg
キウイフルーツ(黄) 300mg
キウイフルーツ(緑) 290mg
さくらんぼ(米国産) 260mg
さくらんぼ(国産) 210mg
パパイア(完熟) 210mg

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