「血管の年齢」は嘘?IMTが厚い人・薄い人の決定的な違いは糖尿病・高血圧だったという真実についてまとめています。血管にはこれまで食べたものが反映されるところで、頚動脈エコーで映し出されるコレステロールの層は、何を意味しているのでしょぅか。特別な病気になると、コレステロール層も厚くなるのでしょうか。
「血管の年齢」は嘘?IMTが厚い人・薄い人の決定的な違いは糖尿病・高血圧だった
「動脈硬化は年を取れば進むもの」、そう諦めていませんか? 多くの人が血管の老化は年齢に比例すると考えがちですが、それは一面的な見方かもしれません。
頚動脈エコーで計測されるIMT(内中膜肥厚)、すなわち血管壁に蓄積したコレステロールの「残りカス」の層は、単なる年齢を示す指標ではなく、あなたの何十年にもわたる食生活と生活習慣病の結果を正直に映し出す「通信簿」です。実際に血管を観察すると、年齢を重ねてもIMTが薄い健康な人がいる一方で、若くても糖尿病や高血圧、脂質異常症を抱える人は、顕著にIMTが厚い傾向が見られます。
この事実は、これらの生活習慣病が直接的・間接的にコレステロールの層を厚くし、動脈硬化を加速させていることを示唆しています。本記事では、IMTの結果が変えられない過去の行動を示す愚直な証拠であること、そしてあなたの血管の真の厚みを決定づける決定的な要因が何であるかを詳しく解説します。
たしかに、糖尿病や境界型糖尿病、脂質異常症、高血圧症の人では顕著なIMT (内中膜肥厚) が見られる傾向があります。
しかし、知っておいてほしいことは、このコレステロールの層は、100% あなたがいままでに食べてきたコレステロールの残りカスがくつついたものだということです。 血管の壁に、どのくらいの残りカスがついているか。頚動脈エコーは、実に単純明快な検査です。血糖値検査のように、1ヶ月ぐらい前からあわてて食事療法などをしても、IMTの結果は変わりません。
いままでのあなたの何十年かの人生の、よいも悪いもその結果が、愚直に映し出されます。 総頸動脈の内中膜の厚みを計ったとき、最も厚かった部位の厚さを「MAX IMT」と呼び、その両側10 mのところを計って平均したものを「MEAN IMT」といいます。
「動脈硬化は年齢とともに進む」という考えが一般的だと思いますが、血管をたくさん観察していると、本当にそうだろうかという疑問が生まれます。 たしかに大きな集団で見ると、平均値は年齢とともに厚くなるのですが、歳をとってもこのコレステロールの層が薄い人はたくさんいます。そういう人は、やはり糖尿病もなければ脂質異常症もなく、多くは高血圧もない。そんな人をよく見かけます。
逆に言うと、糖尿病、脂質異常症、高血圧症は、直接的にも間接的にもコレステロールの層を厚くする方向に働いていると思います。
食べたものが血管に与える影響:動脈硬化を加速・抑制するメカニズム まとめ
私たちが日々の食事で摂る栄養素は、血液を通じて全身の細胞に運ばれるため、血管の健康に直接的かつ長期的な影響を与えます。頚動脈エコーで確認されるIMT(内中膜肥厚)が過去の食生活の「通信簿」と呼ばれるように、食べたものが血管に残す影響は大きく、主に動脈硬化の加速または抑制という形で現れます。
1. 動脈硬化を加速させる主な要因
血管の壁にダメージを与えたり、コレステロールの「残りカス」を蓄積させたりする要因です。
1-1. 過剰な塩分(ナトリウム)
塩分を摂りすぎると、体は血中のナトリウム濃度を薄めるために水分を溜め込み、循環血液量が増加します。これにより血管にかかる圧力が恒常的に高まり(高血圧)、血管内壁の細胞(内皮細胞)が傷つきやすくなります。傷ついた内皮は、次のコレステロール蓄積の足がかりとなります。
1-2. 飽和脂肪酸とコレステロール
肉の脂身やバター、加工食品に多く含まれる飽和脂肪酸やコレステロールの過剰摂取は、血中のLDL(悪玉)コレステロールを増加させます。このLDLが酸化されると、傷ついた血管壁に侵入し、マクロファージに取り込まれて泡沫細胞となり、動脈硬化の原因となるプラーク形成の元凶となります。
1-3. 糖質の過剰摂取(特に食後高血糖)
精製された米やパン、甘い飲み物など、血糖値を急激に上げる食品の過剰摂取は、食後高血糖を引き起こします。高血糖状態が続くと、血管内皮細胞が直接損傷を受けやすくなり、体内のタンパク質と糖が結びつくAGEs(終末糖化産物)の生成を促進します。AGEsは血管の弾力性を奪い、動脈硬化を急速に進行させます。
2. 血管の健康を抑制・修復を助ける主な要因
血管を守り、動脈硬化の進行を遅らせる効果が期待できます。
2-1. カリウムとマグネシウム
野菜、果物、海藻などに豊富なカリウムは、過剰な塩分(ナトリウム)の体外への排出を促し、血圧を下げる働きがあります。マグネシウムは血管の収縮を抑え、血圧の安定に寄与します。
2-2. 不飽和脂肪酸(オメガ3系)
青魚(サバ、イワシ、サンマなど)に多く含まれるEPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸は、血中の中性脂肪を下げる効果や、血栓の形成を防ぐ効果があります。これにより血液が流れやすくなり、動脈硬化の進行を抑制します。
2-3. ポリフェノールとビタミン類
緑黄色野菜や果物、お茶、赤ワイン、黒豆などに含まれるポリフェノールやビタミンC・Eは、強力な抗酸化作用を持っています。これらは、血管内壁を傷つけたり、LDLコレステロールを血管壁に蓄積させたりする原因となる「酸化ストレス」を軽減し、血管を保護します。
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