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アルコール依存症  断酒薬 断酒を支援する 抗酒薬です。アルコール依存症候群(アルコール依存症)は、精神作用物質に対する依存症候群の1つです。脳は快感を好み、一度学習した快楽とそれを得るための方法を忘れません。飲酒によって心地よい酩酊状態になることを繰り返していると、再び飲酒して快感を得たいという欲求が生じ、これが常習的飲酒につながります。

アルコール依存症 断酒薬

抗酒薬は、アルコール依存症の治療に使用される薬です。抗酒薬には、アルコールを飲むと吐き気や頭痛などの症状を引き起こすものや、アルコールを飲む欲求を抑制するものがあります。抗酒薬は、アルコール依存症の治療に効果的ですが、副作用が出ることもあります。そのため、抗酒薬を使用する場合は、医師に相談して、リスクとメリットをよく理解しておくことが大切です。

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飲酒が常習化すると、脳はアルコールの作用に慣れ、それまでの量では満足できなくなる(アルコールへの耐性の形成)。こうして快感を得るために必要な飲酒量が増え、多量の飲酒が日常化します。

 多量の飲酒を繰り返すと、脳がアルコールに順応してアルコールが作用している方が調子が良くなります。そして脳にアルコールが作用しない状態になると、いらいら感、不安、抑うつなどの不快感情や心悸亢進、発汗、体温変化などの自律神経症状、手指、眼瞼などの振戦、一過性の幻覚や幻聴などの離脱症状が出現するようになります。

 アルコール依存 が形成されると、飲酒したいという、非常に強く、抵抗できない欲望が生じ、飲酒をコントロールできなくなります。また、多量の飲酒を続けると、肝臓、膵臓、脳をはじめ様々な臓器に影響が出てきます。さらに、飲酒運転による交通事故、自殺、うつ病、家庭内暴力、虐待、犯罪といった社会問題を引き起こすこともあります。

 身体症状が出たり、社会的な影響を及ぼすようになっても、本人はアルコールを飲めば気持ちが落ち着くため、アルコールを問題にすることに抵抗を示したり、自分はいつでも飲酒をやめられるので病気ではないと考えたりして、アルコール依存症であることを認めない傾向が強いのです

アルコール依存症の治療の根幹は断酒である。断酒目的の治療薬として、日本では ジスルフィラム ( 商品名ノックビン ) 、シアナミド(シアナマイド)、 アカンプロサートカルシウム ( レグテクト ) が承認されています。

 ジスルフィラムは、肝臓中のアルデヒド脱水素酵素を阻害することにより、飲酒時の血中アセトアルデヒド濃度を上昇させて顔面潮紅、熱感、頭痛、悪心・嘔吐などの不快な急性症状を発現させて酒量を抑制する。服用後数時間から半日で効果が発現します。

十分な効果を得るには1週間を要し、その後効果は1週間持続します。

 シアナミドも、肝臓中のアルデヒド脱水素酵素を阻害し、少量の飲酒でも直後に顔面紅潮、血圧低下、心悸亢進、呼吸困難、頭痛、悪心・嘔吐、めまいなどを起こす酒量抑制薬で、節酒療法および断酒療法に用いられる。同薬はジスルフィラムより即効性で効果の持続期間は1日です。

 アカンプロサートの作用機序は明確にされていないが、脳内のグルタミン酸作動性神経の活動を抑制することで、脳内神経のバランスを保ち、病的な飲酒欲求である渇望を抑えることにより、断酒維持の効果が得られると考えられている。

 一方、海外では、アルコール依存症における飲酒の渇望を抑える治療薬として、トピラマート(トピナ)の有効性が多く報告されています。

トピラマートは、抗てんかん薬です。脳の神経細胞の興奮を抑制し、てんかん発作を予防します。また、片頭痛の予防薬としても使用されています。そして、アルコール依存症にも処方される薬です。

トピラマートの主な副作用は、めまい、吐き気、食欲不振、脱水症状、体重減少、手の震え、視力障害、倦怠感などです。これらの副作用は、ほとんどの場合、軽度で、時間の経過とともに改善しますが、重い副作用が現れることもあります。

アルコール依存症は、深刻な健康問題です。アルコール依存症の治療には、薬物療法が有効な場合もあります。ただし、薬物療法には副作用が出ることもあります。そのため、アルコール依存症の治療薬を使用する場合は、医師に相談して、リスクとメリットをよく理解しておくことが大切です。

アルコール依存症は、深刻な健康問題です。アルコール依存症になると、飲酒をコントロールできなくなり、仕事や家庭生活に支障をきたすようになります。また、アルコール依存症は、肝臓病、糖尿病、心臓病、脳卒中などの病気を引き起こすリスクが高くなります。

アルコール依存症 症状

  • 飲酒量が増える
  • 飲酒を止めるとイライラする
  • 飲酒を減らすと禁断症状が出る
  • 飲酒を優先する
  • 飲酒のために嘘をつく
  • 飲酒のために借金をする
  • 飲酒のために仕事や家庭生活を放棄する

アルコール依存症の症状が一つでも当てはまる場合は、アルコール依存症かもしれないので、医師に相談してください。

欲望が見つかるまでは薬物治療を併用 飲酒欲求を抑える 薬 「 アカンプロサート 」 についてです。 ギャンブル依存症ではギャンブルを禁止せずに欲望充足法で治療をしますが、 依存症の病気である アルコール依存症 では断酒をするのが大前提となります。

前述のように 「 一生断酒しなさい 」 とはいいませんが、自分の隠れた欲望を探そうとしても、飲み続けていると離酎が邪魔をして自分の欲望の発見が難しくなるからです。離酎すると結果的に飲酒そのものが自分の欲望であるという勘違いがずっと続きますから、欲望充足法に移行するときには3ヶ月から半年くらいの禁酒期間を設ける必要があります。

アカンプロサート

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アルコール依存症 では、酒が切れた後、強い欲求が訪れます。その欲求は薬を使って抑えるしかありません。2013年から 「 アカンプロサート 」という飲酒欲求を抑える薬が保険で使えるようになりました。7年前にはなかったので私自身は使えなかったのですが、もしあったら他の医師に処方してもらって絶対に使っていたと思います。

このお薬は、断酒補助薬です。脳に作用し、 アルコール依存 で高まっている神経活動を抑制することで「飲みたい」という飲酒欲求をおさえます。

アルコール依存症の治療は、カウンセリングなどの精神療法や、断酒会への参加をはじめとする心理社会的治療が中心になりますが、それに加え この薬を併用することにより断酒の成功率が上がるのです。

脳の神経に働いて飲酒欲求そのものを抑える新しいタイプの断酒補助薬です。昔から使われている抗酒薬のシアナミド(シアナマイド)や ジスルフィラム ( ノックビン ) とは効きかたが異なり、肝障害の心配もありません。心理社会的治療と併用することにより断酒成功率が高まることから、心理社会的治療の補助的な治療薬と位置付けられます。

アカンプロサートは神経系に作用することで飲酒欲求を抑制する。アルコール依存症では、興奮性神経であるグルタミン酸作動性神経の活動が亢進し、抑制性神経であるγアミノ酪酸(GABA)作動性神経活動とのバランスが崩れ、飲酒欲求を引き起こすと考えられています。

アカンプロサートはN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)型グルタミン酸受容体の阻害を通じ、前者を抑制することでエタノールの摂取欲求や報酬効果を抑制すると推測されている。なお、アカンプロサートのGABA受容体への作用は認められていません。

ただし効果が弱いのが難点。飲酒欲求を30 ~ 50 % 抑える効果は期待できますが、ゼロにしてくれるわけではありません。欧米では「ナルトレキソン」というもっと飲酒欲求の抑制効果が高い薬もあります。それに似た薬で「ナルメフエン」という医薬品があり、こちらは日本でも治験がはじまっています。

ナルトレキソン は、オピオイド拮抗薬ナルトレキソン、アルコール依存症の治療効果はプラセボ並み 比較的重症のアルコール依存症患者を対象とした臨床試験で、1995年から米国でアルコール依存症治療薬として使われているナルトレキソンに、プラセボと同程度の治療効果しかないことがわかりました。

これらの医薬品は酒を飲みたいという欲求だけを選択的に抑えてくれます。人間の欲望を全部抑える薬もありますが、それを使うと性欲も食欲も生きる意欲も抑えられてしまいます。おもに統合失調症に使われる薬で依存症には適応外ですが、患者さん本人の強い希望があれぼ、当座しのぎに処方する場合もあります。

アカンプロサート(レグテクト)と抗酒薬の違い

わが国で従来から用いられてきた薬は、「抗酒薬」と呼ばれる薬です。
抗酒薬には、ジスルフィラム (商品名 : ノックビン) とシアナミド (商品名 : シアナマイド) の 2 種類があります。

これらの薬剤は、抗酒薬を服用中にもし飲酒すると、悪心・嘔吐、頭痛、動悸、顔面紅潮、呼吸困難などの不快な反応を引き起こします。


そのため、抗酒薬を服用している間は、生活の中で飲酒をしたくなるような出来事があった場合にも、「気持ち悪くなるからやめよう」と、心理的に飲酒を断念しやすくなるという作用を持ち、結果的に断酒の継続に役立ちます。


抗酒薬は、きちんと服用ができていれば、断酒維持のための効果は高いものの、重症の肝硬変や心・呼吸器疾患のある場合は使用できない、アレルギーや肝障害といった副作用を引き起こす場合があり、そもそも飲みたくなったら抗酒剤の服用をやめてしまうといった問題点もありました。


一方、アカンプロサート は、脳に作用して、「飲みたいという気持ち」そのものを軽減させる作用を持った薬剤です。比較的安全性が高く、抗酒薬のように飲酒時の頻脈などの反応を引き起こさないため、高齢者などにも投与しやすいという特徴があります。

また、研究は少ないものの、薬の相互作用が少ないため、抗酒薬との併用も可能だと考えられています。

商品名 アカンプロサート
成分 アカンプロサートカルシウム
効果 アルコール依存症の改善
副作用 下痢、腹部膨満、嘔吐、不眠、頭痛など
飲み方 1日3回、1回2錠を食後に服用
製造元 インタスファーマ

アカンプロサートの特徴

中枢神経系の主要な興奮性神経であるグルタミン酸作動性神経の活動が亢進し、抑制性神経伝達とのアンバランスが考えられています。

亢進したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで神経伝達のバランスを回復させます。

アルコールを飲んだ際の興奮をおさえ飲酒欲求による依存症を改善します。

アカンプロサートの効果

脳の興奮に関係するグルタミン酸神経の亢進を抑制、飲酒への強い欲求を軽減します。

アカンプロサートの用法用量

アカンプロサートの服用方法

通常、成人にはアカンプロサートカルシウムとして666mgを1日3回食後に水またはぬるま湯で服用してください。

アカンプロサートの服用時の注意

飲み忘れた場合

飲み忘れた場合は、気づいた時点で1回分を服用します。

次回の服用が迫っている場合には次回の服用分から服用しても大丈夫です。

2回分以上をまとめて飲むことはしないでください。

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酒飲みがアルコール依存症に変わってしまうのは

酒の代わりに

アルコール依存症 危険性 は一言で言い尽くすことはできませんが、どんなに誓いを立てて頑張ってもどうにもならないことがあげられます。どんなに強く決心してもやめることができません。お酒をやめるためには 断酒会や AA などに参加することが必要です。

アルコール依存症 危険性 

日本ではじめて本格的な 断酒会 を発足させたのは、高知県の旧社会党県連合会会長で自らもアルコール依存症だった松村春繁という方です。

公益社団法人 全日本断酒連盟
https://www.dansyu-renmei.or.jp/

酒害体験を聴く、そして話す 「一日断酒」「例会出席」この繰り返し 断酒会活動の基本は例会である。 この例会は、大小の差はあるが、20名くらいで約2時間、酒害体験を話し、それを聴く。家族も参加する。家族も酒害体験を話す。家族は依存症本人ではないが、酒害の影響をまともに受けている。体験談を話すことにより、家族も自己洞察が強まり、回復へと結びついていく。

松村春繁は、享年65歳、病名は急性肺炎でした。5年前から脳軟化症を病んでいたのですが、病苦に鞭打って断酒運動に全力投球していたことが、彼の死期を早めたそうです。

脳軟化症は脳梗塞のことで、脳内血管の閉塞もしくは狭窄のために脳血行の一部が途絶え、脳組織の一部が酸素不足や栄養不足で壊死し、様々な症状を発症します。 突発的に発症して身体の片麻痺や意識障害及び失語を生じる場合もあれば、徐々に進行して脳血管性認知症を発症する場合もあります。

AAのように自らを超越した偉大な力にすべてを委ねるというのではなく「自分たちで助け合ってともに頑張ろう」というのがコンセプトです。

AA(アルコホーリクス・アノニマス)や断酒会といったアルコール依存症患者の自助グループ(セルフヘルプグループ)です。

「酒をやめることを誓います」という断酒の誓いを立て、労働組合的に仲間と手をとり合って、みんなで断酒するのです。

AA日本ゼネラルサービス
https://aajapan.org/

AAは初めてですか?

アルコホーリクス・アノニマス(AA)とは:AAとは、さまざまな職業・社会層に属している人たちが、アルコールを飲まない生き方を手にし、それを続けていくために自由意志で参加している世界的な団体です。AAのメンバーになるために必要なことは、飲酒をやめたいという願いだけです。会費や料金は必要ありません。

メンバーやグループの数は:現在、およそ180以上の国と地域に10万以上のグループが存在し、メンバー数は200万人以上です。(日本には600以上のグループが存在し、メンバー数は5,700人以上と推定されています)

外部の機関との関係は:AAは、アルコホリズム(アルコール依存症)の問題にかかわる他の団体と「協力はするが、帰属はしない」という方針を採っています。私たちは外部の問題には意見を持たず、支持も反対もしません。

AAはどのようにして維持されているのか:長い年月をかけて、AAは財政面で完全に自立するという伝統を確認し、強固なものとしてきました。メンバー以外からは、寄付を求めることも受け取ることもしていません。日本では、AAメンバー個人からの献金は年間30万円までとしています。

AAメンバーはどのようにして飲まない生き方を続けているのか:AAはアルコールを完全にやめるためのプログラムです。今日一日、ともかく最初の一杯に手をつけない、メンバーはこのことを心がけています。そして飲まない生き方を続けるために、AAミーティングで経験と力と希望を分かち合い、さらにアルコホリズムから回復するために提案された12のステップを実行しています。

なぜアルコホーリクス・アノニマスは「無名(アノニマス)」なのか:AAのメンバーが無名であることは、AAのスピリチュアルな基礎(精神的基盤)です。AAが個人ではなく原理によって自律しているのは、無名性によって導かれているからです。AAのなかには上下関係はありません。私たちは、プログラムに参加する個々の人ではなく、AAの回復のプログラムを広く知ってもらおうと努めています。新聞・テレビなどの公共のメディアでの無名性は、全てのAAメンバーに対して、特に新しくAAに来た人たちに対して保証されており、メンバーの氏名が一般に公表されることはありません。

だれでもAAのオープン・ミーティングに参加できます:AAのオープン・ミーティングにはだれでも参加できます。このミーティングでは、通常、司会者と2~3人のメンバーが自分のアルコホリズムとAAでの回復に関する話をし、経験を分かち合っています。またAAを、アルコホーリク(アルコール依存症者)でない一般の人たちに知っていただく目的で開く特別なミーティングもあります。ここには医療関係者、聖職者、行政関係者が招かれます。これに対して、クローズド・ディスカッション・ミーティングはアルコホーリクだけが参加できるものです。

一方、断酒会と違ってAA では「酒をやめよう」とは誓いません。代わりに酒に対して自分は無力、つまりコントロールできないと徹底して認めようと呼びかけます。それを認めてから過去の自分を見つめ直そうと呼びかけるのです。

そして、集団の結束を高めるためにあえて「ステイグマ(差別される負の刻印)」をアピールします。世間的にネガティブな熔印を押されたほうが、集団の結束は強くなるからです。

そのために「私たちは他の人とは違う。酒を飲んだら止まらなくなるのが私たちの体質であり、その体質と一生つき合う定めなのだ」と強調するのです。AAと断酒会にはそれぞれ善し悪しがありますし、合う合わないもありますから、当事者は自分に合う自助グループを選ぶことになります。

アルコール依存症の人のための教科書

アルコール依存症候群 の 断酒 を支援する 抗酒薬

私にとって アルコールが最高のご褒美 であることは言うまでもありません。「 晩酌が好きで毎晩酒を飲んでいる 」という人は結構いらっしゃると思います。

身体依存 と 精神依存

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酒が好きで毎日飲んでいるだけでは依存症ではありません。アルコールに対する依存が成立してアルコールへの依存には

  • 身体依存
  • 精神依存

の 2 種類があります。

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身体依存

身体依存 は、やめると、離脱症状と呼ばれる身体の症状が起こる状態のこと。 耐性や精神依存が生じた状態で、多量の依存性アルコールを連用するようになると、やがて身体依存が形成されます。 もともと体は依存性薬物を摂取した状態では呼吸や脈拍などの機能に影響を受けます。

精神依存

精神依存 は、アルコールを連用することにより、アルコールが欲しくなる状態のことです。 アルコールを繰り返し飲み、習慣的に使用していると、しだいに「ないと物足りない」「アルコールなしではいられない」という状態になります。 このように薬物に対する渇望・欲求が生じる状態を精神依存といいます。

身体依存 自覚症状

身体依存 の自覚覚症状としては、

  • 不眠
  • 発汗
  • 手のふるえ
  • 血圧の上昇
  • 不安
  • いらいら

などがあり、重症の場合は

  • 幻覚が見える
  • けいれん発作

を起こしたりすることもあります。

離脱症状はかつて「禁断症状」と呼ばれていました。つねに体内にアルコールがあることが普通になると、アルコールが抜けたときに症状が出るのです。

酒がないと物足りなくなり飲みたいという欲求を感じるようになります。さらに精神依存が強くなると、酒が切れてしまうと家の中を探したり、わざわざ出かけて買いに行くような行動が現れます。

耐性・精神依存が形成され、長年ある程度の量の飲酒を習慣的に続けていると、しまいには身体依存が出現します。

精神依存 自覚症状

精神依存 は、飲酒がコントロールできなくなった状態です。たった 1 杯のつもりで飲みはじめても適量で終えることなく、泥酔するまで飲んでしまうのが典型例です。

精神依存が起こると、他のなによりも酒を飲むことが優先されるようになり、生活が「飲酒中心」 にまわるようになります。

飲酒中心の生活というと朝から飲んだくれる姿を想像するかもしれませんが、それは終末像です。飲み方にかかわらず、飲酒が最高の欲望充足手段(ご褒美) になっている状態が精神依存です。

酒を止めたり減らしたりしたときに、離脱症状と呼ばれる症状が出現するようになります。代表的な離脱症状としては、不眠・発汗・手のふるえ・血圧の上昇・不安・いらいら感などがあり、重症の場合は幻覚が見えたり、けいれん発作を起こしたりすることもあります。酒を止めるとこのような症状が出現してしまうので、症状を止めるためにまた飲酒するという悪循環となり、ますます酒を止めることが難しくなります。

また、アルコール依存症に特徴的なのは、アルコールに対する「耐性」がつくこと。

酒を飲み続けているうちに、同じ酔いを得るために必要なアルコールの量がだんだん増えてくるのです。急増する方もいますし、ゆっくり増加していく方もいます。それは「アルコールを分解する肝臓が鍛えられて強くなった! 」ということではありません。酔いを感じる脳の感受性が低下したことを意味します。

脳は、摂取したアルコールの量に比例して萎縮していきます。 そして脳の萎縮により、認知機能が低下したり、脳梗塞のリスクが高まったりといったことが起こります。

アルコール性認知症の症状

  • 注意力・記憶力の低下
  • 感情のコントロールができない
  • 歩行時のふらつき
  • 手の震え
  • 作話(辻褄を合わせるための無意識の作り話)
  • 自分がいる場所、現在のおおよその時間が分からなくなる

アルコール性認知症になりやすい人

高齢の方は、ただでさえ加齢による脳の機能低下があるため、アルコールによる影響を受けやすい、つまりアルコール性認知症になりやすいということが言えます。 特に定年退職されている方、配偶者を失くした方は、アルコールに手を出しやすい・多量摂取しやすい傾向にあります。

また、アルコール依存症とも深い関わりがあり、60 歳以上のアルコール依存症の方のうち、4 割以上が何らかの認知機能障害を合併しているという報告もなされています。

ご高齢の方に多いのは事実ですが、アルコールを多量摂取するのであれば、若い方にももちろん発症のリスクはあります。

酒量はどのくらいで依存になる可能性が高くなる

まず、どの程度の飲酒量が適当かということですが、厚労省が定める第1次健康日本21では、1日の飲酒量がアルコール換算で60g(ビール1500ml、日本酒3合、焼酎1.5合に相当する飲酒量)を超える飲酒を多量飲酒としました。また、第2次健康日本21では、男性では1日の飲酒量が40g(ビール1000ml、日本酒2合、焼酎1合に相当する飲酒量)、女性では20gを超える飲酒を生活習慣病のリスクを高める飲酒と定義しています。

アルコール依存症の自己診断

大酒飲みのための教科書

アルコール依存症の私の自己紹介