お酒を 飲む 飲まない の二択は時代遅れになった

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お酒を 飲む 飲まない の二択は時代遅れになりました。欧米、とくに欧州のアルコール依存症の治療では、「飲むか」「飲まないか」の二者択一を迫るという考え方は減少しています。

お酒を 飲む 飲まない 二択 ではない

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それよりもいかに飲酒の害を減らすかという「ハーム・リダクション」という概念が主流になってきました。

ハーム・リダクション(英語: harm reduction)とは、個人が健康被害や危険をもたらす行動習慣(合法・違法を問わない)をただちにやめることができないとき、その行動に伴う害や危険をできるかぎり少なくすることを目的としてとられる、公衆衛生上の実践、指針、政策を指します。

ハーム・リダクション とは?

ハーム・リダクション(Harm Reduction)は、公衆衛生や医療のアプローチの一つであり、主に薬物使用やアルコール使用などの健康に対するリスクを最小限に抑えることを目指す考え方です。ハーム・リダクションは、完全な禁止や薬物使用の排除を追求する代わりに、リスクを軽減し、個々の健康や社会的な状況を向上させることに焦点を当てます。

ハーム・リダクションの原則には以下のようなものがあります:

  1. 情報提供: 薬物やアルコールの使用に関する正確で客観的な情報を提供し、リスクを理解させます。

  2. 安全な使用の促進: 薬物やアルコールの使用が避けられない場合、安全な使用方法や量を教え、感染症予防などのアドバイスを提供します。

  3. 供給の確保: 清潔な注射器や交換用具を提供するなど、感染症の広がりを抑えるために必要なものを提供します。

  4. 過量死の予防: 過量摂取や過剰な使用による死亡を防ぐために、過剰摂取の警告や救急医療のアクセスを提供します。

  5. 治療へのアクセス: 薬物依存症の治療やアルコール依存症の支援へのアクセスを提供し、リカバリーをサポートします。

  6. 社会的統合の支援: 薬物使用者やアルコール使用者を社会的に排除するのではなく、サポートを通じて統合を促進します。

ハーム・リダクションの目的は、個人やコミュニティの健康と安全を最優先に考えることであり、厳格な禁止だけでなく、現実的なアプローチを通じて健康上のリスクを最小限に抑えることを目指しています。

ハーム・リダクション アルコール依存症へのアプローチ

アルコール依存症においてハーム・リダクションのアプローチを採用することは、完全な断酒を追求するのではなく、アルコールの健康へのリスクを最小限に抑えるための方法を提供することを意味します。

以下に、アルコール依存症におけるハーム・リダクションの考え方や方法についていくつか説明します。

アルコール依存症においてハーム・リダクションのアプローチを採用することは、完全な断酒を追求するのではなく、アルコールの健康へのリスクを最小限に抑えるための方法を提供することを意味します。以下に、アルコール依存症におけるハーム・リダクションの考え方や方法についていくつか説明します:

  1. 目標の設定: 完全な断酒が難しい場合でも、まずは飲酒の削減を目指すことができます。週に飲酒する日数や飲酒量を減らすことを目標に設定します。

  2. 安全な飲酒のガイドライン: 医師や専門家のアドバイスに従って、健康への影響を最小限に抑えるための安全な飲酒のガイドラインを学びます。

  3. 飲酒のコントロール: 飲酒の回数や量を記録し、自分の飲酒パターンを把握します。これにより、飲酒のコントロールを向上させることができます。

  4. リスクの認識: アルコールに関連する健康リスクや社会的リスクを理解し、それを軽減するための対策を取ります。例えば、飲酒中の運転を避ける、飲酒と薬物の併用を避けるなどです。

  5. 支援グループへの参加: ハーム・リダクションのアプローチをサポートするための支援グループやカウンセリングに参加することで、同じ目標を持つ他の人々と情報や経験を共有できます。

  6. 代替アクティビティの模索: アルコールを楽しむ代わりに、健康的で楽しいアクティビティを見つけることが大切です。趣味やスポーツなど、アルコール以外の楽しみを見つけることができます。

前述のナルメフエンという飲酒欲求抑制薬を断酒ではなく、飲酒量抑制を目的に利用をしています。

ナルメフェン(Nalmefene)は、アルコールの乱用や依存症の治療に使用される薬物です。主にアルコール依存症の人々に対して、飲酒量を減少させる助けとして使用されます。ナルメフェンはオピオイド受容体の拮抗薬であり、アルコールの報酬系への影響を減少させることで、飲酒への欲求を軽減するのに役立つとされています。

前述したトピラマートについては、保険適応の認可は現実的に困難です。保険適応を受けるには製薬会社に動いてもらうのが近道ですが、トピラマートはすでに特許が切れた薬。治験のために大金を投資しても独占的に販売できるわけではありませんから、製薬会社にしてみるとうま味がありません。

トピラマート(Topiramate)は、てんかん発作や片頭痛の治療に使用される抗てんかん薬ですが、最近ではアルコール依存症の治療にも注目が集まっています。トピラマートは神経細胞の興奮を抑える作用があり、アルコール依存症における飲酒への欲求や摂取量を減少させる効果があるとされています。

通常は数年、独占的に販売できる間に治験にかけた大金を回収して利益を出すというのが、製薬会社のビジネスモデルだからです。別のやり方として「医師主導治験」というものがあります。

これはわれわれ医師が厚生労働省所管の独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」に申請して、審査に合格したら国から予算をもらって治験をする方法です。2014年の「日本臨床精神神経薬理学会」で医師主導の治験に関するシンポジウムがあり、学会として医師主導の治験を支援するための候補として、トピラマートを含めて4つほど挙げてくださいました。

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