【脳卒中の現代事情】なぜ 脳出血から脳梗塞が増えた?寝たきり期間が長期化するリスクを解説

【脳卒中の現代事情】なぜ脳出血から脳梗塞が増えた?寝たきり期間が長期化するリスクを解説します。もう1つ、脳卒中で大事なことがあります。同じ脳卒中といっても、ここ50~60年で脳卒中の中身が様変わりしたことです。脳卒中には、大きく3つのタイプがあります。

なぜ 脳出血から脳梗塞が増えた?

かつて脳卒中は、高血圧によって脳の血管が破れる脳出血が主流で、発症すれば命に関わる危険な病気でした。

しかし、減塩の普及や優れた降圧剤の開発により、脳出血の発生率は大幅に減少しました。ところが、それで脳卒中全体が減ったわけではありません。

代わりに、血管が詰まる脳梗塞が急増し、現代の脳卒中の大半を占めるようになりました。この変化は、日本の健康問題に深刻な影を落としています。

なぜなら、脳梗塞は命は奪いにくい一方で、重い後遺症を残しやすく、患者の寝たきり期間を平均で4.1年と長期化させるからです。本記事では、この脳卒中の様変わりした内訳(脳梗塞の3タイプ、脳出血、くも膜下出血)と、血管が詰まる病気が増加したことで、私たちが直面している「長生きしても辛い期間が長くなる」という、新たな長寿国のリスクについて詳しく解説します。

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血です。脳梗塞はさらに、ドロドロのコレステロール(プラーク)によって血管が詰まってしまう「アテローム血栓性梗塞」、細い動脈に動脈硬化が起きて詰まってしまう「ラクナ梗塞」、心臓にできた血栓が流れてきて血管を塞ぐ「心原性脳塞栓症」の3つがあります。

それに対して、脳の血管が破れて出血するのが脳出血、脳の血管にできた動脈痛の破裂などによって脳を覆っているくも膜と軟膜の問に出血するのがくも股下出血です。いまから50年以上前、1960年頃は、脳卒中といえば大半は脳出血でした。脳出血を起こすと手の施しようがなく、多くの方が数週間くらいで亡くなってしまうケースが多かったのです。

ところが、いまは減塩に気を遣いよい降圧剤も開発されたので、脳出血で倒れる人は少なくなりました。しかし、脳卒中が減ったわけではありません。血管が詰まる脳梗塞が増えたので、脳卒中自体は依然として減っていません。

お年寄りが増えたせいもあって、むしろ実際は年間あたりの脳卒中の発生率は20%ほど増加しています。人間は、脳の血管が詰まっただけでは、そんなに簡単に死にません。体が不自由なので外出や買い物は自由にできなくなりますが、脳出血のようにコロッとは死ななくなったのです。

先日、54人の寝たきりになった原因調査を行いました。平成16年3月31日現在、寝たきり患者の46% が脳血管疾患(くも股下出血、脳出血、脳梗塞など)、9%が認知症です。認知症の半分は脳血管疾患が原因ともいわれているので、合わせれば約5割が脳の血管の病気が引き金になっています。

脳の血管が破れるから、詰まるへ。それが寝たきり患者を増やしました。しかも脳梗塞によって寝たきりになると、その期間が長い。脳卒中で倒れてから寝たきりで過ごす期間は、平均で4.1年。それ以外の病気の場合は、約半分の2.1年です。 日本は世界でもトップクラスの長寿国です。しかし長生きしても寝たきりならば、辛い期間が長くなるだけになってしまいます。

脳卒中の現代事情:脳出血から脳梗塞への変化とリスク

かつて(1960年代頃)の日本では、脳卒中の大半は高血圧による脳出血でした。脳出血は発症すると手の施しようがなく、多くの方が短期間で亡くなるケースが多くありました。

しかし、その後の減塩の普及と優れた降圧剤の開発により、高血圧の管理が進み、脳の血管が破れて出血する脳出血で倒れる人は大幅に減少しました。

脳梗塞の増加がもたらした新たな問題

脳出血は減ったものの、脳卒中全体が減少したわけではありません。代わりに、血管が詰まる脳梗塞が急増し、脳卒中の発生率は依然として高い水準にあります。

これは、長寿化と生活習慣の変化により、動脈硬化や心房細動を持つ人が増えたことが大きな要因です。脳梗塞は主に以下の3タイプに分けられます。

  1. アテローム血栓性梗塞:ドロドロのプラークで血管が詰まる。
  2. ラクナ梗塞:細い血管に動脈硬化が起きて詰まる。
  3. 心原性脳塞栓症:心臓でできた血栓が脳に流れて詰まる。

人間は脳の血管が詰まっただけでは、脳出血のように急死することは少なくなりました。しかし、これが深刻な社会問題を生んでいます。

寝たきり期間の長期化

脳梗塞は命に関わる致死率は低いものの、重い麻痺や後遺症を残しやすい特性があります。このため、脳の血管が詰まる脳梗塞の増加は、寝たきり患者の増加に直結しています。

  • 寝たきりになった原因の約半数は脳血管疾患が引き金です。
  • 脳卒中で倒れてから寝たきりで過ごす期間の平均は4.1年と長く、他の病気と比べて約2倍です。

これは、長寿国日本において、「長生きしても辛い期間が長くなる」という新たな高齢化リスクを意味しています。脳梗塞を予防するためには、血圧管理だけでなく、プラークの蓄積を防ぐ生活習慣病の多角的な管理が極めて重要です。

脳卒中を防ぐために必要なベスト3

脳卒中、特に増加している脳梗塞を防ぐためには、血管を詰まらせる原因となるプラークの蓄積と、血管を破れやすくする高血圧を同時に管理することが極めて重要です。

脳卒中を防ぐために、特に大切なことを3つに絞って解説します。

第1位:血圧の厳格な管理(降圧目標の達成)

脳卒中の最大の危険因子は高血圧です。特に脳梗塞は「ちょっと高め」の血圧でも発症リスクが高いため、厳格な管理が不可欠です。

  • 家庭での測定を習慣に: 毎日決まった時間に血圧を測り、自分の平均値を把握します。家庭血圧の目標値は一般的に125/75mmHg未満を目指します(個人の状況や合併症の有無により目標値は異なります。医師の指導に従ってください)。
  • 減塩の徹底: 1日の塩分摂取量を6g未満に抑えます。塩分は血圧を上げるだけでなく、血管内皮を傷つける原因にもなります。
  • 温度差の回避: 急激な温度変化(寒い脱衣所から熱い風呂に入るなど)は血圧を急上昇させ、脳卒中リスクを高めます。特に冬場は注意が必要です。

第2位:LDLコレステロールと血糖値のコントロール

動脈硬化の主因であるプラークの形成を直接的に防ぐための管理です。

  • 食事による酸化予防とLDL抑制:
    • 肉の脂身や加工品(飽和脂肪酸)を減らし、青魚(オメガ3脂肪酸)や野菜、海藻、きのこ類(食物繊維、抗酸化物質)を積極的に摂ります。
    • 食物繊維はプラークの元となるLDLコレステロールの排出を促し、血糖値の急上昇も防ぎます。
  • 食後高血糖の防止: 糖尿病や予備群の方は、特に食後の血糖値スパイクを防ぐため、食べる順番(野菜→おかず→主食)の徹底や、食後15〜30分後の軽い運動を習慣化します。

第3位:心房細動のチェックと禁煙

見落とされがちなリスクと、最も強力な悪化因子を取り除くことが大切です。

  • 心房細動のチェック: 不整脈の一つである心房細動は、心臓内で血栓ができやすくなり、その血栓が脳に流れて血管を詰まらせる心原性脳塞栓症の最大の原因となります。
    • 脈拍が不規則だと感じたら、すぐに医療機関を受診してください。
  • 禁煙: 喫煙は血管を強力に収縮させ、血圧を上げ、血液を固まりやすくする最悪の危険因子です。脳卒中予防の観点から、すぐに禁煙しましょう。

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