動脈硬化の最大の危険国子は糖尿病

いま、日本人の死亡原因の第1位は悪性新生物(ガン)で、全体の30.1 % を占めています。2人に1人がガンという時代になってしまいました。2位は心疾患(15.8%)、3位は脳血管疾患(10.7 %)です。

2位と3位は動脈硬化を原因とする疾患であり、この2つを合わせると26.5 % 。ガンの30.1 % に迫る勢いです(厚生労働省平成21年「人口動態統計月報」(概数) の概況より)。ガンの恐ろしさだけが注目されていますが、動脈硬化も死につながる恐ろしい病態なのです。

この動脈硬化の最大の危険因子が、糖尿病です。その本態は「血管の炎症」です。繰り返しになりますが、ここでおさらいしましょう。そして以下の説明をあなたの頭にたたき込んでください。

血液中に過剰になった糖や、その燃えカスであるAGEという物質が、血管の内皮細胞を傷つけます。この傷によって炎症が起き、動脈硬化が進行していきます。そのスタートラインとなるのが食後の急激な高血糖、すなわちグルコーススパイクです。

グルコーススパイクが動脈硬化を促進させる - ガンより怖い糖尿病

食後、急激に血糖値が上昇すると、大量の糖が血管を刺激します。これが単球接着を引き起こし、血管への炎症をスタートさせ、血管が破壊されていくのです。糖尿病の代表的な合併症である腎症や網膜症は、微小血管が破壊されて起きる病気です。破壊力は小さいけれど、長期にわたって絶え間なく破壊され続け、慢性炎症を起こします。 大きな破壊力で大血管に急性の炎症を起こし、急速に血管を破壊するのが大血管障害です。これが、脳卒中や心筋梗塞につながっていきます。私は、血圧や動脈硬化に興味を持ち、いまも高い関心があります。 寝たきりを防ぐには、血管のマネジメントが非常に重要です。そのためにも、血糖や血圧のコントロールが必要なのです。

血圧が高いほどAGEが蓄積されて糖尿病合併症が早期化・悪化しやすい

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