アルコール依存症 記憶の奥のエピソードを話すほど癒されるという特徴があります。それから週1回、その県外の自助グループに通うようになりました。「これで本当にやめられるか」「そこに通っている人たちがどういう人間か」といったことを詮索し出すとアウトです。
記憶の奥のエピソードを話すほど癒される
いったん自助グループに入っても、いずれ半数がいなくなるのは、その疑心暗鬼というワナにはまるのだと思います。「他人は関係ない。知ったこつちゃない。その場にとりあえず身を置いて、自分の無様な姿をしゃべることを繰り返そう」と思ったはうが長続きします。
恥ずかしいエピソードも慣れてくると話せるようになる
はじめのうちは恥ずかしくて語れなかったようなエピソードも、徐々に思い出しながら話すようになりました。自分でも無意識に忘れたいと思い、記憶を収めるツボに蓋をしていたエピソードが、深層から少しずつ浮かび上がってくるような感覚です。
たとえば、飲み会で大酒飲んでタクシーに乗れず、同僚に乗せてもらって迷惑かけたエピソードを思い出したら、次の週には「そういえば、あのとき失禁してズボンが小便まみれだった。それを抱えてタクシーに乗せてくれた同僚は、どれだけ嫌な思いをしただろうか」というエピソードを率直に語るのです。
「同じ人間同士なのだから、他人に許しを求めるのは間違っている」と綴りましたが、自助グループでは心の奥底にしまっていた深い話をすればするはど、〝許され体験″が深くなる感覚がありました。まわりのみんなは、なにもいわずに黙って聞いているだけですが、人間の力を超えた別の大きなものに許される感覚があったのです。
依存症になるのは自らのコントロール能力が破綻したときですから、人間を超える何者かに頼るはかないのでしょう。そこには決まった神はいませんが、人間を超える何者かに許しを求めるという意味では、自助グループは宗教的な集まりに近いと思います。
アルコール依存症 記憶の奥のエピソードを話すほど癒される
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感情の解放: 過去のアルコール依存症の経験や記憶に関する話をすることは、感情を解放し、抱えていた感情を表現する手助けをします。アルコール依存症は多くの人にとって苦痛な体験であり、それに関連する感情はしばしば抑圧されています。話すことで、感情を受け入れ、共有することができます。
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自己認識と洞察: 過去のエピソードを振り返ることは、自己認識と洞察を高めるのに役立ちます。どのような状況や感情がアルコールの問題につながったのかを理解し、同じ過ちを繰り返さないようにするのに役立ちます。
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サポートと共感: 記憶を話すことで、友人や家族、専門家からのサポートや共感を受けることができます。他の人と共有することで、孤立感を減らし、回復のプロセスを支えてもらうことができます。
ただし、注意点もあります:
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トリガーになる可能性: 過去の記憶を話すことが、アルコールの欲求を刺激することがあるため、注意が必要です。特定のエピソードや場面がアルコールへの欲求を引き起こす可能性がある場合、そのトリガーを避けることが重要です。
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専門家のサポート: アルコール依存症の治療は専門家の指導のもとで行うべきです。過去の記憶を話すことが、治療計画の一部である場合でも、専門家の指導を受けることが大切です。
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安心な環境で話す: 過去のエピソードを話す場合、安心でサポートがある環境で行うことが大切です。友人、家族、サポートグループ、カウンセラーとの信頼関係を築くことが重要です。
アルコール依存症の回復は個人によって異なりますが、過去のエピソードを話すことが治療や回復の一環として有益である場合もあります。ただし、適切なサポートと指導を受けながら行うことが大切です。
お酒を飲みたいときの欲求抑制
お酒を飲みたいときの欲求抑制は、健康や安全に配慮する重要なスキルです。以下に、お酒の欲求を抑制するためのいくつかの方法を紹介します。
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目標を設定する: お酒を制限する目標を設定しましょう。例えば、週に何日間お酒を飲むことを許可するか、週に摂取できるアルコール量を決めるなどです。
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アルコールの代替品を検討する: お酒を飲みたいときに、アルコール以外の飲み物を選ぶことができます。ノンアルコールのビール、ワイン、カクテル、またはハーブティー、フルーツジュース、炭酸水などが選択肢として考えられます。
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ストレス管理: お酒を欲することは、ストレスや不安からくることがあります。ストレス管理技術を学び、ストレスを軽減する方法を見つけることが重要です。瞑想、ヨガ、深呼吸、ウォーキングなどが有効な方法です。
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アルコールの誘惑を避ける: 自宅にアルコールを置かない、お酒を提供する場所に行かない、お酒を誘う状況を避けるなど、誘惑を減らす努力をしましょう。
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サポートを受ける: お酒の問題に対処するために、カウンセリング、サポートグループ、友人や家族とのサポートを受けることが役立つ場合があります。他の人との共感と共有は、欲求抑制に役立つことがあります。
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健康的な生活習慣: 健康的な食事、十分な睡眠、運動など、健康的な生活習慣を維持することで、アルコールへの欲求を減らすことができます。
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アルコール依存症のサインに注意: アルコール依存症の症状が現れた場合、プロの医療支援を受けることが非常に重要です。依存症は自己管理だけでは克服が難しい場合があります。
お酒の欲求を抑制することは、健康と幸福に向けた重要なステップです。自分自身の健康と目標に合った方法を見つけ、サポートを受けながら取り組むことが大切です。
ジスルフィラム【ノックビン】
- 詳細
- ジスルフィラムは1950年代から日本で抗酒剤として導入されていて、現在は粉末剤としてノックビンで販売されています。
ノックビンは、服用することでお酒が苦手な人と同じ生体反応を起こさせる抗酒剤です。
ジスルフィラムには肝臓中のALDH酵素を阻止する働きがあり、DIFARAN(ジスルフィラム錠)ノックビンと同成分で服用後、少量でもアルコールを摂取をすると体内のアセトアルデヒド濃度が上がり、5~10分で顔が紅潮し、熱感、頭痛、悪心、嘔吐などの症状が出てきます。
またアルコール依存症の根本的原因は解決できませんが、精神療法との併用により、さらに効果が期待できます。 - 飲み方
- 1日0.1~0.5g(0.2~1錠)を1~3回に分割して服用します。
- 1週間投与した後に通常実施する飲酒試験の場合には、患者の平常の飲酒量の1/10以下の酒量を飲む
- 飲酒試験の結果発現する症状の程度により本剤の用量を調整し、維持量を決める
- 維持量としては、通常0.1~0.2g(0.2~0.4錠)で、毎日続けるか、あるいは1週毎に1週間の休薬期間を設けます。
飲み忘れた際は思い出した時すぐに飲んで下さい。
ただし、次の服用時間が近いときは忘れた分は服用しないでください。
また、2回分を一度に服用しないでください。
- 副作用
- 抑うつ、情動不安定、幻覚、錯乱、せん妄、頭痛、めまい、耳鳴、眠気、睡眠障害、発疹、手根管症候群、多発性神経炎、末梢神経炎、視神経炎、食欲不振、下痢、腹痛、腹部緊張感、便秘、けん怠感、陰萎、熱感、関節痛、脳障害(見当識障害、記憶障害、錯乱)、肝機能障害、黄疸など。
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