共感するタイプ 共感しないタイプ 2種類います。私は自助グループに入る前には、飲酒にまつわるつらい体験を分かち合い、それによって共感が得られるのだろうと思っていました。思っていたというよりも、自助グループに半ば憧れていたのです。気質的に私は相手に共感しながら話をしたり、相手と気持ちの交流をしたりするのが苦手なタイプです。
共感するタイプ 共感しないタイプ
酒を飲むと感情が緩み、いつもより他者と共感できるようになることも飲酒に走っていた理由のひとつでした。だから「自助グループに通うことで同じ悩みを持つ仲間のよしみで、みんなと共感できるようになるだろう」と淡い期待を抱いていたのですが、1 年通っても2 年通っても深い共感は得られませんでした。
自助グループに通っているのは酒をやめようという仲間同士ですから、魂が響くような心の交流があると思ったのですが、私が感じたのはいつも見知らぬ土地にたったひとり迷い込んだ異邦人のような疎外感でした。
はじめのうちは自分が医師だから、まわりが警戒して心を開いてくれないのだろうと疑っていました。そこで医療従事者だけの自助グループにも参加してみたのですが、やはり疎外感はぬぐえませんでした。「同じ医療従事者同士、頑張ろうね」という表面的な会話を交しただけだったのです。それでも、うれしかったですが... 。この体験がきっかけとなり、依存症には私のように共感性が低いタイプと共感性が高いタイプがいるのかもしれないと考えるようになりました。
そこから生まれたのが、依存症を自閉型と非自閉型に分けて捉えるという発想。自助グループに馴染めない、共感性が低い私自身は自閉型の依存症者だったのです。これは、私自身のAQ テストが32点であったことでも確認できました。
共感するタイプ 共感しないタイプ まとめ
共感の程度は個人によって異なり、人々は共感するタイプと共感しないタイプの2つの大きなカテゴリーに分かれるわけではありません。
むしろ、共感の度合いは人の性格、経験、感情、文脈に依存します。以下に、共感するタイプと共感しないタイプについての一般的な特徴を示しますが、これは全ての人に当てはまるわけではありません。
共感するタイプ:
-
感情的に敏感: 共感するタイプの人々は他人の感情に対して敏感であり、共感することが自然な傾向があります。他人の喜びや苦しみを共感し、感情的なサポートを提供しようとします。
-
他人の視点を理解しようとする: 共感する人々は他人の視点や経験を理解しようと努力します。他人の立場を考慮し、共感を示すことが大切だと考えます。
-
助けを提供しようとする: 共感する人々は他人の困難に対して助けを提供しようとする傾向があります。友情や協力関係を築く上で、共感が重要な要素です。
共感しないタイプ:
-
感情的に冷静: 共感しないタイプの人々は感情的に冷静であり、他人の感情に対して距離を置くことが多いです。感情的な反応が少ないことがあります。
-
自己中心的: 一部の人は自己中心的で、他人の感情やニーズに無関心であることがあります。自身の利益や欲求を優先することが多いです。
-
コミュニケーションが難しい: 共感しない人々は他人とのコミュニケーションが難しいことがあり、他人の感情に共感することができないことがあります。コミュニケーションの障害や社交的な困難が影響することがあります。
重要なことは、共感の度合いは一度きりで確立されるものではなく、人生の経験や状況によって変化する可能性があることです。また、他人との関係において共感が重要である一方、適切な境界を持つことも大切です。
自助グループにおいて共感できないタイプ
自助グループは、メンバーが共通の課題や問題について話し合い、支え合う場所です。一般的には、自助グループに参加するメンバーは、共感し合い、共通の経験や感情を理解しようとすることが期待されます。ただし、共感できないタイプの人も存在するかもしれません。以下に、自助グループにおいて共感できない可能性のあるタイプとその理由をいくつか示します。
-
感情的に無関心な人: 一部の人は感情的に無関心であり、他人の感情に共感することが難しい場合があります。彼らは感情的なサポートを提供することが難しいため、他のメンバーにとっては不適切かもしれません。
-
コミュニケーションの障害を持つ人: 自助グループで共感するためにはコミュニケーションが必要ですが、一部の人はコミュニケーションの障害を抱えているか、社交的な困難があるため、他人との感情的なつながりを築くことが難しいかもしれません。
-
自己中心的な人: 自己中心的な人は、自身のニーズや関心を優先し、他人の感情や問題に共感することが難しいことがあります。彼らは自己中心的な行動を取ることがあり、自助グループの目的に悪影響を及ぼす可能性があります。
-
異なるバックグラウンドを持つ人: 自助グループのメンバーが異なるバックグラウンドを持つ場合、共感しにくいことがあります。文化的な違いや経験の違いが、共感を難しくすることがあります。
共感が難しい場合、自助グループに参加することは、その人にとって有益でない可能性が高いです。自助グループの目的は、メンバーがお互いに支え合い、共感し合うことであるため、共感が難しい場合は他の方法でサポートを受けることを検討することが重要です。
自助グループにおいて共感できるタイプ
自助グループにおいて共感できるタイプのメンバーは、他の参加者の経験や感情に対して理解を示し、共感することが得意な傾向があります。以下は、自助グループで共感できるタイプの一般的な特徴です。
-
感情的に敏感: 共感できるタイプのメンバーは感情的に敏感であり、他の人の感情を感じ取ることが得意です。他人の感情に共感し、感情的なサポートを提供しようとします。
-
他人の視点を理解しようとする: 共感できる人々は他人の視点や経験を理解しようと努力します。他人の立場を考慮し、共感を示すことが大切だと考えます。
-
助けを提供しようとする: 共感できる人々は他人の困難に対して助けを提供しようとする傾向があります。自助グループの目的であるメンバー間の支え合いや協力に積極的に参加します。
-
コミュニケーション能力が高い: 共感できる人々はコミュニケーション能力が高く、他のメンバーと効果的にコミュニケーションをとることができます。感情や経験を適切に表現し、他人との対話を円滑に進めます。
-
適切なサポートを提供: 共感できる人々は、他のメンバーが必要とするサポートを提供することができます。励まし、理解し、共感を示すことで、他のメンバーの安心感を高めることができます。
-
共感が持続的: 共感できる人々は、感情的なサポートや共感を持続的に提供することがあります。他のメンバーが時間の経過とともにもっとサポートを必要とする場合でも、共感し続けることができます。
自助グループは互いのサポートと理解に基づいて機能する場所であるため、共感できるタイプのメンバーはそのグループの目的を達成するのに貢献します。共感が得意である人々は、他のメンバーとの協力や共感に焦点を当ててグループの活動に参加することが奨励されます。
コメント