アルコール依存症になって 自助グループ 自分を捨てる こと です。依存症の方は診察した医師に「いきなさい」とすすめられたから自助グループに参加するわけですが、自我や自己愛を抱えたままだと「自分には合わない」とか「アイツらとは違う」という拒絶反応が出て、いずれ通わなくなります。
自助グループ 自分を捨てる こと
「オレはそこまでひどくない」と否認したり、己を誤摩化したりします。依存症は人によってある症状、ない症状がバラバラです。
自分にたまたま出ていない症状を他の誰かが語ったら、「私はそこまでじゃないな。失禁はしないから大丈夫だ」などと思い込むのです。人と比較して自分のほうがまだマシだと思い、安心材料にします。自分の法がマシだと思い、比較する相手を卑下しても自分が幸せになれませんし、アルコール依存症から脱することにおいて言えば遠ざかるばかりです。
仲間の中でいかに自分の正直な姿をさらけ出すことができるかが大事なポイントです。もともとアルコール依存症に陥ってしまう人は、人に頼ることが苦手な人が多いです。人に弱みを見せる強さがない状態とも言えます。
ですから、なかなか自分の正直な姿をさらけだすことも大変です。
「依存症」という病気はイメージがしにくいものです。 病気と言っても、熱が出るとか血圧が高くなるというような客観的なデータが出るものではありません。
依存症がどんなものかを説明するのにいろんな表現があります。その中の一つに「依存症とは、人に依存できない病気」という表現があります。この表現は依存症の人、依存症になりやすい人のイメージを膨らませやすい表現だと思います。
飲酒の適切なコントロールができない人に向かって「自助グループで断酒しなさい」と医者がすすめるときの根拠は「自助グループで飲酒をやめている人がいる。だからあなたも断酒できる」というもの。
同じ問題をかかえているひたたちが対等な立場で話ができるため、参加者は孤立感を軽減されたり、安心して感情を吐露して気持ちを整理したり、グループの人が回復していくのをみて希望を持つことができたりと様々な効果が期待できます。
医師としての反省を込めていうと、自分が自助グループに通いはじめるまでは、私も同じように患者さんたちを熱心に説得していました。
自助グループに入り断酒するには
でも、自助グループに参加して断酒するには、一時的にプライドという自己愛を削り落として針の穴を通るくらいのすさまじい覚悟がいります。
医師は気軽に「自助グループに参加すればやめられる」といいますが、私が経験したように酒をやめる前に、それこそ人間をやめる、医者をやめるというくらいの決断が求められるのです。
それも私は自分で決断したわけではなく、妻から尻に火をつけられて絶体絶命の窮地に陥り、仕方なく行動したわけです。そうでなければ、依存症者が自ら酒を断つという決断ができるわけがありません。
逆説的にいうなら、そんな決断が自分で下せるなら依存症にはならないのです。アルコール依存症者が自助グループに参加するときは、自分のプライドや体裁を捨てて可能な限り身軽になり、過去に酒を飲んで楽しかった思い出もいったん全部捨て去る勇気がいります。
AAでは断酒をはじめたばかりの人を「ベビー」と呼びます。生まれたての赤ちゃよろいんのように無防備だからです。自分を捨てて飛び込んでいますから、心を守る鎧となるプライドがない状態。そこでなにかをいわれると深刻なトラウマになり、二度と顔を出せなくなることがあります。
グループによっての特徴など
自分に合うグループかは参加してみないとわかりません。なかなか自分の正直な姿をさらけだすのは大変ですが心許せる場になると治療も進みます。
自助グループに参加するにあたり、断酒方法だけを知りたいと思って加入するとなかなか自分の思うようなアンサーを知ることができないと思います。
・開催日時、場所、オンラインの有無など
→参加しやすさは、継続的に参加するときには大事な要素です
・どんな人が参加しているか
人数や年齢層、性別など
参加者の様子(病気の家族の状況、同居か別居か、仕事や子育てなどのそのほかのテーマなど)
→ある程度、属性や境遇が近い方が共感しやすいのはあるかもしれません
→気持ちの吐き出し、親との関係、生活基盤づくり、居場所、仕事など...人によってニーズはさまざまです
・進行、開催のスタイル
言いっぱなし聞きっぱなし*に近い/情報提供やアドバイスもある
専門職の方が参加している(サポートグループ)
懇親会、アクティビティ、勉強会なども開催している
→お話のシェアに時間をさいて欲しい人も、具体的な情報を得たいという人もいますし、勉強やアクティビティの時間がある方が参加しやすいという人もいると思います
・グループの雰囲気...(言葉にするのは難しいですが)
例えば参加者の距離感。フレンドリーな雰囲気、開かれた雰囲気、個々が距離をもって尊重される雰囲気、匿名性が守られる雰囲気...など
同じ立場の当事者のみの参加/支援者の見学やほかの立場の家族の参加もokとしているところ
社会に向けた啓発、発信にも力を入れているグループ
スタッフの方の雰囲気や人となり... etc
・参加費
会場代やお茶代をシェアしているところ、無料のところなどグループによってちがいます
何を優先するかは人によってちがうと思います。
それぞれのサイトやパンフレット、記事、参加者の声など、事前に読めるものを読んだり、セミナーなどに参加してみるのもいいですね。
ですが...グループの雰囲気は参加してみないとわからない、体感できないのも実際のところ...。
最初からうまく発言できないのは当たり前です。話さなくても大丈夫という雰囲気だと安心です。
参加して気がちっとも楽にならないグループは、行かなくていいと思います。あわないと思ったら遠慮せずに他のところに行くのもokです。
個別相談の方があうという方もいますし、個別相談があう時期もあります。併用している方もいます。
初めて参加するときのヒント
主催者の方へ初めてであることを伝え...
最初は聞くだけでもokですか?パスしてもokですか?と確認しておく
オンラインのミーティングでは、映像をオフにしての参加を伝えてみる
主催者の方とやりとりを事前にしておくと、人となりもなんとなく感じられるかもしれません。
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