アルコール依存症 配偶者 の気持ち 私の職場 (病院 ) に妻から電話がかかってきたのです。その翌朝、妻から「一体どういうことなの!」と強い口調で問い詰められましたが、「まぁまぁ」といなして出勤しました。これも依存症者の特徴ですが、ほとぼりが冷めるまでおとなしくしていれば許してくれるだろう、なんとかなるだろうと2、3 日酒をやめるふりをするのです。
アルコール依存症 配偶者 の気持ち
私もそれまで酒で大きなしくじりをしでかしたときは、長年、その作戦で乗り切っできました。
ところが、このときは出勤した後、診察室で妻から携帯に電話がかかってきました。なにをいわれるか見当がついていますから出たくありません。しかし、出ないはうがもっと恐ろしいので、妻の怒号を覚悟しつつ怖々と電話をとると「あなたはなにを考えているの? アル中がアル中を治療して恥ずかしくないの?どうしたらいいのか、自分でよく考えてみなさい」と意外にも冷静な口調で妻が語り続けます。
なんとかその場をおさめたいのに、妻がなかなか電話を切ってくれないので困り果てました。そのとき、いままで自分が同じような窮地に陥り、酒のことで貢め立てられる状況が走馬灯のように浮かんできました。
私自身、アルコール依存症患者の治療を行っている中で、配偶者がアルコール依存症になったら、夫婦関係を続けていくことに不安を感じてしまうのも当然ですし、実際に別居や離婚となってしまったケースは多々見てきています。
20歳のときに泥酔したまま自転車に乗って転び、ケガをして救急車で病院へ運ばれたことがありました。母親が田舎から病院に駆けつけて「あんた、どうしたん。そんなに飲むはど、なにがつらいん? 」と病院のベッドの横で泣きながら語る場面からはじまり、それ以降、30年間のさまざまなみじめな出来事がフラッシュバックしてきたのでした。
アルコール依存症 配偶者 の気持ち
アルコール依存症は、その人自身だけでなく、その人の家族や配偶者にも大きな影響を及ぼすことがあります。配偶者の気持ちは非常に複雑です。いくつかの一般的な感情や経験を示しますが、個々の状況には多くのバリエーションがあります。
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悲しみと無力感: 配偶者は、愛する人がアルコール依存症で苦しんでいることを知ると、しばしば深い悲しみや無力感を感じます。彼らは依存者の苦しみを見て、何もできないことに苦しむことがあります。
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不安: アルコール依存症が進行すると、家庭環境が不安定になり、経済的、身体的、感情的な問題が発生することがあります。配偶者はこれらの問題について心配し、ストレスを感じることがあります。
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怒りと挫折感: 配偶者は依存者の行動に対して怒りを感じることがあり、依存者の約束を守らないことに挫折感を抱くこともあります。これは、繰り返される約束の破られた経験からくるものです。
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自己犠牲と共依存: 一部の配偶者は、アルコール依存症のパートナーを助けようとして、自己犠牲的になることがあります。彼らは依存者のために自身の健康や幸福を犠牲にすることがあります。
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支援と希望: 一方で、一部の配偶者は依存者の回復を支え、希望を持ち続けます。アルコール依存症の治療やサポートプログラムに参加することを奨励することがあります。
アルコール依存症という状況は、家庭や関係に大きな圧力をかけることがあり、配偶者はさまざまな感情を抱えることが一般的です。そのため、配偶者の健康と幸福を考慮し、専門家の助けを受けることが重要です。また、アルコール依存症の治療プログラムに参加し、サポートを受けることで、回復の可能性を高めることができます。
不安
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家庭環境の不安定さ: アルコール依存症のあるパートナーが頻繁に飲酒し、問題が起きることがあるため、家庭環境が不安定になりがちです。不安定な状況で生活することは、配偶者にとって心理的な不安を引き起こすことがあります。
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経済的不安: アルコール依存症のために、家庭の経済的な問題が生じることがあります。アルコールの購入や治療費用が増えることで、経済的な不安感が高まります。
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健康への不安: アルコール依存症は、依存者の健康に大きな影響を及ぼすことがあります。配偶者は依存者の健康を心配し、病気や急性の問題が起きることに不安を感じることがあります。
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未来への不安: アルコール依存症は家庭や関係を壊す可能性があるため、配偶者は将来の不安を感じることがあります。パートナーの回復や関係の修復ができるかどうかについての不安が常につきまといます。
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自己犠牲と不安: 一部の配偶者は、依存者を支えようとして自己犠牲的になることがあり、それが不安を増幅させることがあります。彼らは依存者を見捨てることができず、そのために自分の幸福を犠牲にすることがあります。
不安は、アルコール依存症の家庭で一般的な感情であり、配偶者は非常に困難な状況に置かれることが多いです。配偶者が不安を軽減するために専門家のサポートを受けること、またサポートグループやカウンセリングを活用することが重要です。同時に、依存者が治療やリカバリープログラムに参加することも、不安の軽減に役立つことがあります。
怒り
アルコール依存症の配偶者が怒りを感じることは非常に理解可能な感情です。以下は、怒りが生じる主な理由とその感情についての詳細です。
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約束の破られた経験: アルコール依存症のパートナーは、しばしば回復のために約束をしますが、その約束が破られることが多いです。このため、配偶者は怒りを感じることがあります。約束が繰り返し破られることは、信頼を失い、怒りの感情を引き起こします。
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健康や安全の懸念: アルコール依存症は健康を損なうことがあり、配偶者は依存者の健康や安全について深刻な心配を抱くことがあります。この心配と無力感が怒りを引き起こすことがあります。
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家庭内の問題: アルコール依存症はしばしば家庭内の問題を引き起こします。依存者の行動が家庭環境に悪影響を及ぼすと、配偶者は怒りを感じることがあります。たとえば、家庭内での衝突や不和が生じることがあります。
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感情の葛藤: 配偶者はアルコール依存症のパートナーを愛している一方で、その依存症による困難な状況に怒りを感じることがあります。この感情の葛藤が怒りを増幅させることがあります。
怒りは、配偶者が状況に対処しようとする自然な反応ですが、過度に怒りが爆発することは関係を悪化させることがあります。怒りを健康的に処理する方法を見つけることが重要です。これには、以下のようなアプローチが含まれます。
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コミュニケーション: 配偶者同士がオープンで率直なコミュニケーションを取ることは重要です。感情を共有し、問題を話し合うことが関係を改善する一歩です。
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サポートグループ: アルコール依存症の配偶者は、サポートグループに参加して感情を共有し、アドバイスを受けることができます。他の人の経験を聞くことで、怒りの管理に役立つことがあります。
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カウンセリング: カウンセリングやセラピストの支援を受けることも、怒りの管理に役立つことがあります。カウンセリングセッションを通じて感情を理解し、適切なアプローチを見つけることができます。
怒りは自然な感情であり、それを適切に扱うことは大切です。しかし、暴力や攻撃的な行動は避け、健康的な方法で感情を表現することが重要です。
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