お酒を飲む理由 屈理屈を並べて自己正当化

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アルコール依存症に陥ると お酒を飲む理由 を自分の都合のいいように正当化します。困ったことに医者には当直があります。そのころは酒がないと眠れない状態でしたが、前日に5合以上飲んだ翌日が当直だと、頭が冴えて夜中に眠れなくなります。

お酒を飲む理由

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ですから、当直の前日は大酒を飲まないというルールを決めていました。このようにアルコール依存症に関する医学的な知識を自らの依存症を維持するために使っていたのです。

アルコール性てんかんという離脱症状の前ぶれが出るくらいですから、身体的にアルコールに依存しているのは確実です。

アルコール性てんかん

アルコール性てんかんというのは、アルコールの過度な摂取または長期間にわたるアルコールの乱用によって引き起こされるてんかんの一種です。アルコールの離脱症状のひとつで、飲酒中断後 48 時間以内に出現するけいれん発作のことです。

  1. てんかん発作: アルコール性てんかんの主要な症状はてんかん発作です。てんかん発作は、脳の異常な電気活動によって引き起こされ、さまざまな症状を引き起こすことがあります。一般的なてんかん発作の症状には、意識喪失、筋肉の痙攣、ふらつき、けいれん、ひきつけ、意識の混濁などが含まれます。

  2. アルコールの影響: アルコール性てんかんの発作は、通常、アルコールの摂取後に起こります。アルコールの影響が消えると発作が発生することがあります。このため、アルコールの過度な摂取を繰り返す人によく見られます。

  3. てんかん発作の種類: アルコール性てんかんにはさまざまなタイプのてんかん発作があります。中でも、短期的な記憶喪失を引き起こすことがある「アルコール性てんかん発作」がよく知られています。

  4. その他の症状: アルコール性てんかんの発作は、けいれん以外にも、ふらつき、幻覚、短期的な記憶の喪失、意識の混濁、興奮状態など、さまざまな症状を引き起こすことがあります。

アルコール性てんかんは、アルコールの乱用が続く限り繰り返す可能性があります。発作を引き起こす要因は人によって異なりますが、アルコールの急な中止や断酒症状がてんかんの発作を誘発することがあります。アルコール依存症を持つ人は、医師の指導を受けながら適切な治療を受け、アルコールの摂取を制御することが重要です。また、アルコール性てんかんの発作が疑われる場合、早期の医療評価と治療が不可欠です。

ただし、私は飲みたくて飲んでいるのだし、医学的には身体依存があれぼ必ずアルコール依存症であるともいえません。

身体依存とは、文字通り酒が切れると身体の症状が出ることで、酒を止めたり減らしたりしたときに、離脱症状と呼ばれる症状が出現するようになります。代表的な離脱症状としては、不眠・発汗・手のふるえ・血圧の上昇・不安・いらいら感などがあり、重症の場合は幻覚が見えたり、けいれん発作を起こしたりすることもあります。

酒を止めるとこのような症状が出現してしまうので、症状を止めるためにまた飲酒するという悪循環となり、ますます酒を止めることが難しくなります。

私の場合、平日と週末で飲み方を変えるなど、飲酒をコントロールできているから「オレは大丈夫だ」と医学的な知識を貼り合わせて 自己正当化 していました。

完全にアル中なのに自分はそうでないと思いたかったのでしょう。屁理屈で正当化するのは医師という仕事が影響していたように思います。

その半面、依存症の患者さんに向き合う医師でありながら、酒におぼれているという負い目、後ろめたさはありましたから、医師として治療には人1倍熱心に関わりました。そこにあったのは「私の代わりにやめさせたい」というすり替えでした。

私はいつもこのすり替えには自分で気づいているのですが、仕事をまじめに行うことですり替えでないと自分に言い聞かせていたのだと思います。アルコール依存症そのものが自己正当化の結果であると思います。

私が罪滅ぼしのために親身になったからといって断酒率は大きく変わりませんが、自分自身を勝手に患者さんへ投影していましたから「断酒して素敵な彼女と結婚ができた」とか「酒をやめて仕事がうまくいくようになった」といった話を聞くと、わがことのように喜んでいましたし、逆に酒を飲んで問題を起こすと。わがことのようにつらい思いをしていました。

アルコールによる脳への影響

アルコールは脳に作用し、過剰なアルコ―ルは、脳に悪い影響を及ぼします。人間の脳は、大きくは「 大脳」、「 小脳」、及び「 脳幹」の3つから成り立ち、さらに大脳は「大脳辺縁系」と「「大脳皮質」に区分されます。

小脳は運動機能を調整し、脳幹は生命維持のための基本的な働きをしています。そして大脳辺縁系は本能をつかさどり、大脳皮質は理性をつかさどっています。アルコールは、まずこの大脳皮質をもっとも強く麻痺させることで、理性を働きにくくさせます。

さらに、大脳皮質の働きにより抑えられていた大脳辺縁系の活動が活発になることで、本能や感情のままに振る舞いやすくなり、陽気になる、気が大きくなるなどの快感をもたらします。

このような単なる酔いも酩酊状態といい、急性アルコール中毒の中に含ふくまれます。 さらに酒量が増し、脳内のアルコール濃度が高くなって、呼吸などの生命維持の役割を担う脳幹にまで影響がおよぶと、重症の急性アルコール中毒となり、昏睡状態となったり、呼吸ができなくなって死亡することもあります。

アルコール依存症 お酒を飲む理由

アルコール依存症の人々がアルコールを摂取する理由はさまざまですが、以下は一般的な要因や動機のいくつかです。

  1. 快楽と脳の報酬: アルコールは一時的な快楽や脳の報酬を引き起こすため、多くの人がアルコールを楽しむために摂取します。アルコールが脳内の報酬系を刺激し、気分を高めたり、ストレスを軽減したりすることがあります。

  2. ストレスや不安の軽減: アルコールは一時的にストレスや不安を和らげることができると感じることがあります。これにより、日常生活の圧力や緊張から逃れる手段としてアルコールを利用する人がいます。

  3. 社交的な圧力: 社交的な場面や社交的な圧力に対処するためにアルコールを摂取することがあります。特に社交的なイベントやパーティーなどで、アルコールは社交性を高める手段と見なされることがあります。

  4. 孤独感の軽減: 孤独感や孤立感を感じる人が、アルコールを使ってその感情から逃れようとすることがあります。アルコールは一時的に孤独感を軽減するように感じさせることがあります。

  5. 身体的依存: アルコール依存症になると、身体がアルコールに対して依存し、離れることが難しくなります。アルコールを摂取しないと身体的な不快感や離脱症状が現れるため、アルコールを摂取する動機として身体的依存があります。

  6. 感情の調整: アルコールは感情を調整する手段として利用されることがあります。悲しみ、怒り、緊張などの感情を抑えたり、鈍らせたりすることができると感じることがあります。

  7. 習慣化: 長期間にわたり、アルコールが日常生活の一部となり、習慣化されることがあります。この場合、アルコールを飲む理由が特定の目的ではなく、単に習慣として摂取されることがあります。

アルコール依存症の人々がアルコールを摂取する理由は多様であり、個人によって異なります。しかし、アルコール依存症は身体的、精神的な健康に深刻な影響を及ぼすことがあるため、適切な治療やサポートが必要です。アルコール依存症に苦しむ人は、医療専門家やカウンセラーの支援を受け、回復のためのプロセスを始めることを検討すべきです。

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